鳴海唯 軽やかに“キャラ変”「かめばかむほど味がする魅力的なキャラ」 朝ドラ「あんぱん」のぶの同僚・琴子役好演
俳優・鳴海唯(27)がNHK連続テレビ小説「あんぱん」(総合、前8・00)で小田琴子役を好演し、注目を集めている。琴子は“婚活”目的で新聞社に入り、勤務中はおしとやかだが、夜の屋台ではぶっちゃけトーク全開の愛すべき飲んべえ。オンとオフのギャップと、芯の強さを持つキャラクターを演じる鳴海が、作品への思い、役作りの上で大切にしたこと、今後の目標を明かした。
初登場から存在感が際立った。第14週「幸福よ、どこにいる」でヒロイン・のぶ(今田美桜)とともに戦後初の女性記者として高知新報に入社した琴子は、社内での振る舞いは実におしとやかで、率先してお茶くみをするなど如才なさを発揮する。だが終業後には、のぶを誘い出した屋台で密造酒のカストリをグビグビ。「猫かぶっちゅうと疲れるわ~」とキャラを一変させて、大きなインパクトを与えた。
鳴海は琴子について「二面性が面白い」と笑い、「『あんぱん』では、それまでお酒を飲むシーンが少ないんです。ただ高知県を舞台にした作品として、お酒の文化がなくては語れない部分もあるのだと。そこを担う琴子は、かめばかむほど味がする魅力的なキャラクターですよね」と話す。
のぶとは違って取材に出て記事を執筆することはないが、「月刊くじら」創刊時には“酒飲み人脈”を駆使して広告獲得に貢献。また、何かと奥手な崇(北村匠海)とのぶの関係を良くするためになど、さまざまな面での好アシストが光る。
実際、のぶのモデルである小松暢さんと同期入社の女性記者は実在する。「あの時代に何人もの中から2人が選ばれるのは、なかなかのバイタリティーな持ち主だったんだろうなとは思います」と思いをはせた。
役作りでは琴子の半生に、丁寧に思いを巡らせた。初登場は戦後パートだったが「この時代を生き抜いてきた女性。明るく力強く生きようとしているバックボーンには何があるのか。きっとたくさんの出会いや別れを経験しているからこそ、明るく振る舞って生きることができているんだろうな」と推察。人物像を深掘りし、「表面的な明るさではなく、しっかり人間味のある人物で、と思った」と語った。
俳優として大きな刺激を受けた「あんぱん」。今後、挑戦したい役を問うと、弁護士や刑事といった役柄を挙げた。「今まで等身大の女性を演じることが多かったんですけど、(弁護士や刑事役は)必然的に勉強が必要になる。それに取り組んだら、役者としてどういう成長になるんだろうと。出会ったことのない未知への挑戦をしたい」。まっすぐに答えた。
◇鳴海唯(なるみ・ゆい)1998年5月16日生まれ、兵庫県西宮市出身。2019年、NHK連続テレビ小説「なつぞら」の柴田明美役でテレビドラマ初出演。21年、「偽りのないhappy end」で映画初主演。23年、「どうする家康」で大河ドラマ初出演。映像作品の他、CMにも多数出演。最近のテーマは「気さくな人でありたい」。趣味は洋服、和菓子など。身長156センチ。
