遠野なぎこさん死去 自宅で遺体発見から2週間 死因を親族公表「事故」複雑な家庭 病と向き合い続けた人生 

 歯に衣着せぬ赤裸々トークでコメンテーターとしても活躍した、俳優の遠野なぎこ=本名・青木秋美=さんが死去していたことが17日、分かった。45歳。親族が遠野さんのブログで公表した。3日に東京都豊島区内の自宅で遺体が見つかり、警視庁が身元の確認を進めていた。発見から2週間、多くの関係者が無事を祈り続けてきたが、無念の結果となってしまった。

 個性派俳優として、バラエティータレントとして、さらに鋭い論客としても多くのファンを魅了した遠野さんが、あまりに寂しい最期を迎えた。捜査関係者によると、3日午後3時10分ごろ、関係者から「部屋に来たが、鍵がかかっていて中に入れない」と110番があった。駆け付けた捜査員が室内で遺体を発見。外傷や、外部から侵入された形跡はなかった。

 親族は死因を「警察の見解によりますと、事故によるものであり、自死ではございません」と説明。「故人は俳優業に真摯に向き合い、さまざまな困難と闘いながら、懸命に生き抜いてまいりました。その姿を、私たち親族一同、深く尊敬し、心から誇りに思っております」と結んだ。

 遠野さんは6歳で子役デビューし、1999年にはNHK連続テレビ小説「すずらん」でヒロイン役を務めた。2004年に芸名を「凪子」から「なぎこ」に変更し、昼ドラマでも活躍。バラエティー番組では飾らないキャラクターで人気を博した。今年2月には業務提携していた事務所との契約を終了。フリーとして活動を続けていた。

 華やかな芸能生活の一方、複雑な家庭で育ち、幼少期から母親の虐待や育児放棄を受けていた。また、2014年に発売した著書「摂食障害。食べて。吐いて。死にたくて。」では、摂食障害や強迫性障害、身体醜形障害などを患っていたことも告白。今年6月にはうつ病と診断されたことも明らかにするなど、常に病と向き合いながらの壮絶な人生だった。

 “恋多き女”としても知られ、09年5月に交際半年で一般男性と結婚したが、同7月に離婚。その後も結婚と離婚を繰り返し、3度の結婚生活を経験したが、いずれも短期間に終わった。23年11月に婚約を、12月に破局を発表して以降は、自宅で愛猫と暮らす毎日。親族によると、愛猫は無事に保護され、安心できる環境で暮らしているという。

 ◇遠野なぎこ(とおの・なぎこ=本名・青木秋美) 1979年11月22日生まれ。神奈川県出身。1991年、テレビ朝日系戦隊ドラマ「鳥人戦隊ジェットマン」に、本名で出演し、芸能界デビュー。94年に芸名を「遠野凪子」とする。95年、TBS系ドラマ「未成年」に出演し話題に。99年にNHK連続テレビ小説「すずらん」のヒロイン・常盤萌役に抜てきされる。2010年5月に芸名を「遠野なぎこ」に変更。12年3月に東宝芸能からワイルドビジョンに移籍。19年5月にキャストパワーに移籍し、24年9月に退社してフリーに。

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