吉田栄作 歌手デビュー35周年ライブに燃える「吉田栄作は吉田栄作のイメージのまま生き続けるしかない」

 俳優で歌手の吉田栄作(56)が30日に神戸の名門ライブハウス・チキンジョージの45周年で「サマー・プレミアム・アコースティック・ライブ」を行い、9月4日には東京・渋谷のPLEASURE PLEASUREで自身の歌手デビュー35周年ライブのファイナルを迎える。トレンディードラマで一世を風靡(ふうび)する一方で、歌手としても「心の旅」のヒットでNHK紅白歌合戦出場を果たした吉田が、音楽への長く熱い思いを語った。

 吉田は昨年、歌手デビュー35周年を迎えた。歌手としての代名詞は「心の旅」だろう。チューリップのカバーで、90年に大ヒット。90、91年と紅白に出場した。

 前年に斉藤由貴が「夢の中へ」、森高千里が「17才」とカバー曲をヒットさせていたため、「二番煎じ三番煎じを狙うようで嫌だ」と一度は拒否したが、プロデューサーと話し合い、翻意。「ヒットした時は『あ、ヒットってやっぱする時はするんだ』って思って。ヒットしている現実がすごくうれしかった」と率直に振り返った。

 今は「あの時あの曲を歌っているから、歌手としての吉田栄作が存在できている。名刺代わりじゃないですけど、ヒット曲は本当にありがたいもの」と感謝している。

 現在の俳優、歌手としての心構えを聞くと、吉田は自身の職業を「俳優って答えます。生きるためにやっている仕事、(自分と)違う誰かを演じる」と答えた。

 音楽は「今自分で作っていますから、自分発の表現」と違いを説明。「音楽をやっている時は一番楽しい。義務感じゃなく、好きだからやっている。でもやるべき仕事は役者だっていう感じですかね」。俳優は大切な仕事、職業で、音楽はライフワークと言えそうだ。

 23年にはシングル「Old Soldier」を発表。老兵という意味の楽曲に込めた思いを「僕らの世界って40年、45年、50年ってやっている人たちが、まだ元気でやっている。そういうのを見ちゃうと、自分を許してあげられるというか、もういいよおまえって言ってあげられるのはまだ遠い」と打ち明ける。

 8日にはニューシングル「Faith」を発売した。「Faith、信念っていう意味じゃないですか。大人の男にきっと響く曲になっています」と言う。4thシングル「プラトニック」のセルフカバーも収録したが、そこには「50代60代でも亡くなっていくアーティストへの思いも含まれています」と明かす。

 同曲を書いた有賀啓雄さんは23年に死去。91年の紅白にともに出場したKANさんは23年に再会して連絡先を交換したが、同年死去。今年1月に放送されたドラマ「家政夫のミタゾノ」で共演し、メールもやりとりしていた中山美穂さんは昨年末に急逝した。彼らへの思いを抱きつつ、「一回の人生を思い切り生きようと。燃焼し尽くして終えたい」と言う。

 35周年は9月で一区切り。その後の未来とは。

 「僕はこのトシになっても投げられる一番速い球を投げるしかない。この球を打ってみろって思い切り投げるんだけど、遅!みたいな。それを恥ずかしげもなく投げると意外と人って打てなかったりとか、それが技になっちゃうことがあるってちょっと分かるようになってきましたね。だから、吉田栄作は吉田栄作のイメージのまま生き続けるしかない」

 吉田栄作は吉田栄作として、歌い続けていく。

 ◇吉田栄作(よしだ・えいさく)1969年1月3日生まれ、神奈川県出身。88年、映画「ガラスの中の少女」で俳優デビュー。「クリスマス・イブ」(90年)「もう誰も愛さない」(91年)などでトレンディードラマを代表するスターに。89年、歌手デビュー。90年、「心の旅」が大ヒット。90、91年にNHK紅白歌合戦出場。93年、仙道敦子との「NOA」で「今を抱きしめて」が大ヒット。95年、休業し渡米。2001年、司会を務めた「マネーの虎」が大きな話題に。21年、俳優の内山理名と結婚。身長182センチ。血液型A。

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