織田裕二ふんする宋江のビジュ初公開「40年近く役者をやってきたが、このスケールでの撮影はなかった」 「北方謙三 水滸伝」

 主人公・宋江役を演じる織田裕二
 WOWOW「北方謙三 水滸伝」で主人公・宋江役を演じる織田裕二
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 俳優の織田裕二(57)が主演するWOWOWの連続ドラマ「北方謙三 水滸伝」(来年放送・配信)で、織田ふんする主人公で梁山泊のカリスマリーダー・宋江のビジュアルが12日、解禁された。

 公開されたのは、宋江が筆を執り、世直しを誓う書「替天行道(たいてんぎょうどう)」を書き記すシーン。「替天行道」とは「天に代わって正義を行う」という意味で、この書を読んだ仲間たちが宋江のもとに集い、決起することになるため、物語が大きく動き出す重要なシーンだ。

 織田のコメントは次の通り。

  ◇  ◇

 昨年12月から撮影を開始した。

 凍てつく寒さ…

 洞窟、過酷な環境下での長時間に渡る撮影の中、あるシーンで突然空から降ってきた様にアイデアが湧いた。実はこのシーンをどう演じれば良いのか、直前まで考えあぐねていた。この昼も夜も分からない寒ーい洞窟での撮影は一生忘れることはないだろう。

 雪山、また別の洞窟、山、川、湖と…一体、何十県行っただろう。車、新幹線、飛行機に乗り南へ北へ。

 この作品は半年が経過してもまだ終わらない(笑)8か月かかる予定だという。

 これまで40年近く役者をやってきたが、このスケールでの撮影は無かった。どれだけ力を入れているのか、毎度毎度、山奥に建てられる撮影隊のテントや車輌、スタッフの多さに驚かされる。メイク、結髪、衣装を身につけるまでにかなりの時間と労力を使い、そこから撮影現場に辿り着くまでまた時間を要する。

 そして主演である私ですら、この作品の一部でしかない。何故なら私が出演していないシーンが多数あり、そこでほかの役者たちがどう演技しているのかわからない。全ての撮影が終わり、編集され、放送までにどんな作品になるのか、いまは想像出来ない。こんなに時間と労力をかけた作品がどんな物になるのか、楽しみでしかない。

 私が宋江という人物を演じるにあたり、最も気をつけているのは、彼は何処にでもいる普通の人だということ。晁蓋の様な漢らしいリーダーシップを持つ訳では無く、林冲や楊志の様な武の才も無く、呉用の様な作戦軍師でも無い。

 精神的に強いわけでも無い。悩んだり、弱味を曝け出したり…

 人に寄り添う宋江という男は、ただ人に寄り添う

 今はこれだけをキーワードに戦い、演じております。

  ◇  ◇

 原作者・北方謙三氏のコメントは次の通り。

  ◇  ◇

 織田さんが宋江を演じる。

 あれだけの役者が衣装を纏い、言葉を発するのだ。だが、それを超えたところに“芝居”はあると思う。会話をした。かなり入れ込んでいた。燃えていた。どんな宋江が見られるのか、楽しみだ。

 ドラマ制作陣は、むさ苦しいほど熱い。だが、あれだけの長編を作るには、それくらいの熱がなければできないだろう。俳優の演技力や存在感、監督や脚本の表現力、衣装・小道具を含めた創造力が、どう支えるか。

 これは、作家と映像制作者の“勝負”。私は今、無邪気に、圧倒される瞬間を待っている。

  ◇  ◇

 「水滸伝」は「三国志演義」「西遊記」と並ぶ中国三代奇書の一つで、梁山泊に集ったアウトローたちの群像劇。北方謙三版は続編も含めてシリーズ累計発行部数1160万部超のベストセラーとなっている。

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