鬼平犯科帳、4ジャンルでメディアミックス 幸四郎「新たな顔色でご覧いただけることに興奮」
池波正太郎氏の人気時代小説シリーズ「鬼平犯科帳」が今夏、歌舞伎俳優の松本幸四郎主演の4ジャンルでメディアミックス展開されることが8日、分かった。幸四郎、染五郎、本宮泰風、浅利陽介、山口馬木也らが出演するラジオドラマ「鬼平犯科帳 本所・桜屋敷」をニッポン放送で30日午後10時から放送。発表済のドラマシリーズ最新作、歌舞伎、朗読劇に続くもので、同一作品・同一主演による4ジャンル同時展開は史上初の試みだとしている。
ドラマシリーズは第6弾「鬼平犯科帳 暗剣白梅香」を7月5日午後1時から時代劇専門チャンネルで放送、時代劇専門チャンネルNETで配信も開始される。出演は幸四郎、仙道敦子、中村ゆり、故火野正平さん、早乙女太一ら。脚本は大森寿美男氏が手がける。
歌舞伎は東京・歌舞伎座の「七月大歌舞伎」(7月5~26日)夜の部で「鬼平犯科帳 血闘-二代目中村吉右衛門に捧ぐ-」を上演。幸四郎、市川染五郎、市川團十郎、市川中車、坂東巳之助、中村雀右衛門、松本白鸚らが出演し、構成・演出も幸四郎が手がける。
朗読劇は「鬼平犯科帳」音楽朗読劇を21日午後6時から東京・浅草の雷5656会館 ときわホールで上演。幸四郎が出演し、構成・演出を齋藤雅文氏が手がける。
祖父の初代松本白鸚さん、叔父の二代目中村吉右衛門さんが演じてきた主人公・鬼平こと長谷川平蔵役を昨年から演じている幸四郎は、4ジャンルでの展開を「時代を超えて愛され続けている鬼平が新たな顔色で皆さまにご覧いただけることに幸せと興奮を感じています」と喜んだ。
「歌舞伎では江戸の風情を音楽的に、色合い豊かな絵画のように視覚的に歌舞伎の得意技で料理された“鬼平”を。朗読劇では尺八演奏家・き乃はちさんの奏でる音楽で鬼平の息遣いを情熱的に描かれる世界に。ラジオドラマでは役者の声でドラマの行間を無限に想像していただける時を感じてくださるようぜひともご来場、ご視聴、ご聴取ください」と意気込んでいる。
また、歌舞伎座に幸四郎ふんする鬼平が現れるビジュアルと告知映像も公開された。クライマックスで登場する鬼平の扮装(ふんそう)をした幸四郎が誰もいない歌舞伎座の客席を背景に浮かび上がり、後ろには歌舞伎座の座紋「鳳凰丸」のちょうちんがきらめいている。告知映像では、鬼平が花道を歩いている。
撮影はBOØWYや布袋寅泰ら多くのアーティストのクリエイションを手がける永石勝氏。歌舞伎では幸四郎出演の「伊達の十役」「月光露針路日本 風雲児たち」「裏表太閤記」などのビジュアルを担当している。
