東京映画記者会（デイリースポーツなどスポーツ紙在京７社で構成）が制定する「第６７回ブルーリボン賞」の各賞が２８日までに決定した。主演男優賞は「侍タイムスリッパー」の山口馬木也（５１）が初受賞。同作は作品賞との２冠に輝き、安田淳一監督（５７）と２ショットで喜びの声を上げた。主演女優賞は、２１年度の第６４回で新人賞を受賞している河合優実（２４）が同じく初受賞。授賞式は２月１２日に都内で開催される。

　劇場に笑いを運んだ名コンビは、取材でも息ぴったりだった。主演賞の受賞者は、翌年の授賞式で司会をするのが恒例。山口は写真撮影の時から「１年後が心配」と繰り返した。

　山口「大変名誉なことなんですけど、来年の司会って聞いた時にテンションが下がったっていうか…」

　安田監督「別に笑わせたりしなくていいんですよ？（笑）」

　山口「そんなこと思ってないですけど、今からドキドキしてます」

　２冠を獲得した「侍タイムスリッパー」は、幕末から現代にやってきた会津藩の侍が、時代劇の斬られ役となるコメディー。単館スタートながら口コミで評判が広がり、全国に拡大上映された。ヒットを受けて、２人の環境も一変したという。

　山口にはオファーが殺到し「贅沢な悩みですけど、役を選ぶのは嫌なことなんですよ。正直、全部やりたいです」と嬉しい悲鳴。安田監督は「面白い作品を量産できる仕組みを作りたい」とチームで脚本製作する“シナリオ開発室”の設置準備を進めているという。

　次なる目標を聞かれた山口は「もう一度、ご一緒させてもらうのが夢ですね」と安田監督との再タッグを熱望した。

　安田監督「山口さんなら…刑事や探偵バディものですかね。『危なくない刑事（デカ）』みたいな」

　山口「事件、起きないじゃないですか！」

　安田監督「『テルマエ・ロマエ』いけますわ。『キングダム』も絶対、大丈夫ですよ」

　山口「顔の印象が強すぎるから（苦笑）」

　歓喜の掛け合い漫才となった。

【第６７回ブルーリボン賞　受賞者・作品】

作品賞「侍タイムスリッパー」

監督賞　入江悠監督「あんのこと」

主演男優賞　山口馬木也「侍タイムスリッパー」

主演女優賞　河合優実「あんのこと」「ナミビアの砂漠」

助演女優賞　小泉今日子「海の沈黙」「碁盤斬り」など

助演男優賞　大沢たかお「キングダム　大将軍の帰還」

新人賞　早瀬憩「違国日記」「あのコはだぁれ？」

外国作品賞「オッペンハイマー」