八代亜紀さん バーチャルコンサートでお別れ AI生成の本人の声で3000人お出迎え

 昨年12月30日に73歳で亡くなった歌手の八代亜紀さんの「八代亜紀 お別れの会~ありがとう…これからも~」が26日、東京・蒲田の片柳アリーナで執り行われ、関係者、一般ファン合わせて3000人が来場した。生前に録音されていた本人の生声をAIで生成してナレーションに使用するなど、“バーチャルコンサート”形式で行われ、場内に優しく語りかける八代さんの声が参列者の涙を誘った。五木ひろし(76)、小林幸子(70)らが、別れの言葉を送った。

 八代さんが生き返ったのかと思わせるかのようなハスキーボイスが会場内に響き渡った。「皆さん、お元気でしたか。八代亜紀です。私のためにわざわざ、お出かけくださって本当にありがとうございます」。本人が生前、声を音源データに残すことを希望していたことで、AIで生成した八代さんの声が参列者を出迎えた。

 中央の遺影では、鮮やかなピンクのドレスをまとった八代さんがほほ笑み、祭壇にはお気に入りの花の胡蝶蘭や、バラ、カーネーションが盛大に並べられた。生バンド演奏と本人の歌唱音源を合わせた「舟唄」「雨の慕情」など全20曲が流れ、参列者は神妙に聞き入った。

 戒名は「艶唱院釋信譽明煌清大姉(えんしょういんしゃくしんよみょうこうせいだいし)」。演歌の女王として歌謡界に貢献してきた八代さんに別れを告げるため、多数の歌手仲間らが思い思いの祈りをささげ献花した。五木ひろしは1980年に日本レコード大賞などの賞レースを争い「五・八戦争」とまで言われた盟友を「時には戦って負けましたし、時にはジョイントコンサートをやったりといろんな思い出があります」と偲び、「仲間というか同志というか、後輩であり、妹分であり、本当にいなくなってしまったんだなという寂しい思いがします」と悲しみに暮れた。

 小林幸子は涙に暮れながら「亜紀さんとは40年以上の付き合いですけど、怒ったりとか、不機嫌になったりとか一回も見たことがない。昭和という時代に八代亜紀という偉大な歌手がいて、同じ時代を生きられたことは本当に光栄でした」と感謝した。ともに1971年デビューの研ナオコは「やっと自分の中で、受け入れられた。本当につらかった。でも、私は元気でいないと。頑張らないと」と自らに言い聞かせるように話した。

 最後も八代さんのAI音声が流れた。「人生の炎は燃え尽きても、魂は甦ると信じます。皆さん八代亜紀は幸せでした」と締め、お別れの会は閉会した。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

芸能最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(芸能)

    話題の写真ランキング

    デイリーおすすめアイテム

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス