「セクシー田中さん」原作・芦原妃名子さん急死に各界波紋 日本漫画家協会 悩みあれば「ご相談下さい」

 昨年10~12月に放送された日本テレビ系連続ドラマ「セクシー田中さん」の原作で知られた漫画家の芦原妃名子(あしはら・ひなこ=本名・松本律子)さんが29日に死亡しているのが見つかったことを受け、日本漫画家協会が30日、協会員に「お悩みがございましたら協会までご相談ください」と呼びかけた。また同日に都内で行われた日本映画製作者連盟(映連)の新春記者会見でも、大手配給各社の社長がこの問題に言及。原作の発行元である小学館や、放送した日本テレビもコメントを発表するなど、多方面に影響が及んだ。

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 人気漫画家の突然の死から一夜明け、その衝撃は各界にさらなる波紋を巻き起こした。

 同ドラマの脚本をめぐっては、昨年12月に脚本家が最後の2話の脚本を芦原さんがたっての希望で担当したと説明。芦原さんは今月26日、日本テレビや脚本家と見解の相違が発生したことが理由であると告白していた。

 この流れを受け、日本漫画家協会(会長・ちばてつや氏)はこの日、公式X(旧ツイッター)で「この度の訃報に接し、ご親族、関係者の皆様に心よりお悔やみ申し上げます」と触れ、「会員の皆様は、契約等のお悩みがございましたら協会までご相談ください。専門知識、または経験則のある人間が対応いたします」などと協会員に呼びかけた。同協会によると、芦原さんは協会員ではなかったという。

 波紋は映像業界にも拡大。映連の会見で松竹の高橋敏弘社長は「原作の素晴らしいところを生かしていくのが大前提。プロデューサーはその作品をどう表現するか、作者の先生と話をしていくのが原則です」と強調した。東宝の松岡宏泰社長は個別の事案にコメントはできないと前置きしつつ「原作の方とわれわれの方向性が違う時は、コミュニケーションを取って互いに了承する。それ以外の方法で乗り越える方法は思いつかない」と説明。東映の吉村文雄社長も「原作を映像化することは、原作者の方の許諾がないとできない。そこに関してどう映像化するかはクリエーティブな部分で合意を重ねてやっていくのが望ましい形」と考えを示した。

 原作漫画を連載中だった雑誌「姉系プチコミック」の発行元である小学館の広報室は同日、デイリースポーツの取材に対し、「芦原妃名子先生の生前の多大なご功績に敬意と感謝を表し、謹んでご冥福をお祈り申し上げます」とコメントした。小学館は芦原さんの代理人として、日本テレビと脚本についての交渉を行っていた。

 ドラマを放送した日本テレビも同日、公式サイトで声明を発表。芦原さんの死を悼んだ上で、「日本テレビとして、大変重く受け止めております。ドラマ『セクシー田中さん』は、日本テレビの責任において制作および放送を行ったもので、関係者個人へのSNS等での誹謗中傷などはやめていただくよう、切にお願い申し上げます」と呼びかけた。

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