悲しみのアリス 谷村さん死去 堀内孝雄「いつか空のほとりで一緒にライブやろうね」

 フォークグループ「アリス」のリーダーでシンガー・ソングライターの谷村新司(たにむら・しんじ)さんが8日に74歳で死去していたことが16日、分かった。悲報を受け、アリスの盟友である堀内孝雄(73)と矢沢透(74)、名曲「サライ」を共作した歌手の加山雄三(86)や、“兄弟分”のシンガー・ソングライターさだまさし(71)らが、早すぎる死を惜しんだ。

 谷村さんとアリスで半世紀以上にわたり苦楽を共にしてきた堀内と矢沢が16日、親友をしのんだ。

 1971年に谷村さんと堀内が結成し、72年に矢沢が合流して始まったアリス。3人で伝説を作り上げてきた。谷村さんとツインボーカルを務めた堀内は「学生時代に『プロにならないか?一緒にアリスをやろう』と、誘ってくれたとき、心の底からうれしかった。チンペイさんがあの時誘ってくれなかったら、今の僕はありません」と振り返った。

 「僕にとってのチンペイさんは、50年来の親友であり、『アリス』のリーダーであり、そして良きライバルでした。ずっと一緒に音楽活動ができたことが幸せでした」と打ち明け、「また、いつか空のほとりで一緒にライブをやろうね。もうちょっと待っていてね、キンちゃんと、もう少しだけ頑張るね」と呼びかけた。

 矢沢は「時にはいがみ合い、時には抱き合い、幾多の苦難も喜びも共有し、無我夢中で駆け抜けた」と回顧。谷村さんの闘病にも「谷村ならきっと戻ってくる、根拠のない確信めいたもの」を感じていたという。

 「でも谷村は戻ってきませんでした!もういないんです。悲しいというより悔しいんです。谷村はもう僕たちのみんなの心の中にしか住む場所がないのです。どうか谷村を忘れないでください」と悲痛な思いをつづった。

 アリスは「涙の誓い」「ジョニーの子守唄」「夢去りし街角」「狂った果実」など数々のヒットを放ち、78年には日本人アーティスト初の日本武道館3日間公演も成功させた。81年に活動停止し、3人が還暦を迎えた2009年に完全再始動。昨年は活動50周年記念ライブを行い、3人は「ここからリスタートして10年続けよう」と目標を立てていたが、夢は叶わなかった。

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