超攻撃から守りへ 見たことのない波岡一喜を 主演のサンテレビ連ドラが4月3日スタート

 俳優・波岡一喜(44)が、サンテレビのオリジナル連続ドラマ第3弾「稲妻ムービーマーケット」(4月3日スタート。月曜、後11時30分。関西ローカル)に主演することが9日、分かった。一見コワモテで攻撃的な役柄が多いが、本作では徹底した“受け”の演技を披露している。大阪府出身、幼少期からの阪神ファンで、撮影現場の「キャッチャー」として現場をリードしてきたという。新境地に挑んだ波岡に聞いた。

 波岡は約3カ月の撮影を振り返り、「こんなに長い間、キャッチャーでいたことはない」と笑顔を見せた。

 2016年のNetflixドラマ「火花」で演じたエキセントリックな芸人や、多くのVシネマなどでの攻撃的なイメージもあるが、本作では島田角栄監督の「見たことのない波岡一喜を出す」という言葉を受け、今までの「超攻撃的スタイル」ではなく、守りの演技を貫いてきた。

 「よし、かかってこい、っていうのは初めてでしたね」。一番好きな虎戦士は真弓明信。幼少期はR・バース、掛布雅之、岡田彰布の競演に酔いしれた虎党は、本作での自身の役割を捕手に例える。

 「いかに爪痕を残すか。バットを振りまくって、当たればホームラン、でいいや」と思っていた自分とは違う。周囲との「和」を重んじた。島田監督との初対面時には「作品に何かあった時は監督の責任ですけど、その半分を僕は背負うつもり」と、主演として強い決意を伝えたという。

 エキセントリック、攻撃的な作風でカルト的な人気を誇る島田作品とあって、共演者も個性的だ。その演技に引っ張られ、攻めの自分が顔をのぞかせることもあったが「ずっと俯瞰(ふかん)で全体を見て、いい試合をやらなアカンな、と思っていた」と、新たな自分と格闘していた。

 波岡が演じたのは、愛する妻を殺され、無実の罪で投獄された男・倉田。生きる希望をなくし、たどり着いた映画館で出会う人々によって、少しずつ再生していく。

 見どころを聞くと、「分からない」と笑い、「この脚本で、今まで撮ってきたものが、どう出来上がるのか、僕には想像ができていない」と率直に明かした。一方で「見た人によって『いいな』と思える部分が違うと思います」とも言う。新たな自分、見たことのない波岡一喜は生まれるのか。最も楽しみに期待を寄せているのは、波岡自身だ。

 ◆波岡一喜(なみおか・かずき)1978年8月2日生まれ、大阪府出身。早大政経学部卒。2004年、木村拓哉主演の月9「プライド」でドラマデビュー。05年、映画「パッチギ!」の準主演で注目を集める。06年、大根仁氏脚本・演出の「ライオン丸G」でドラマ初主演。14年、「ベイブルース」で映画初主演。17年、又吉直樹原作のドラマ「火花」に林遣都と主演。今年のNHK大河ドラマ「どうする家康」に本多忠真役で出演している。身長178センチ。

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