ロマンポルノの巨匠・小沼勝さん死去 「花と蛇」「生贄夫人」など47本監督

 谷ナオミ主演の「花と蛇」「生贄夫人」などで知られる、日活ロマンポルノを代表する映画監督の小沼勝(こぬま・まさる)さんが1月22日午後2時44分、肺炎のため死去していたことが9日、分かった。85歳。北海道小樽市出身。日活が同日、発表した。葬儀は近親者で行った。お別れの会は行わない。

 小沼さんは1961年、日本大学芸術学部映画学科を卒業して日活に助監督として入社。「大巨獣ガッパ」(67年)や「ハレンチ学園」(70年)などの助監督を経て71年、ロマンポルノ「花芯の誘い」で監督デビューした。88年のロマンポルノ終焉までに47本を監督し、団鬼六の小説を谷ナオミ主演で映画化した「花と蛇」(74年)や、谷主演の「生贄夫人」(同)などの耽美的なSM作品は海外での評価も高い。

 ロマンティシズムあふれる作風でも人気を博し、主な作品に「昼下がりの情事 古都曼荼羅」(73年)、「夢野久作の少女地獄」(77年)、「性と愛のコリーダ」(同)、「さすらいの恋人 眩暈」(78年)、「妻たちの性体験 夫の眼の前で今…」(80年)、「ブルーレイン大阪」(83年)などがある。

 12年ぶりの映画となった2000年の「NAGISA/なぎさ」は01年ベルリン国際映画祭の児童映画部門でグランプリを獲得。12年には自伝「わが人生 わが日活ロマンポルノ」を発表した。

 映画「リング」などで知られるJホラーの巨匠・中田秀夫監督は小沼さんの助監督出身。00年には小沼さんのドキュメンタリー映画「サディスティック&マゾヒスティック」を監督している。

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