寺田心 子役時代の誹謗中傷を回想し涙も「ひきこもり先生」役作りで

 俳優業について語った寺田心(撮影・西岡正)
 手作りのパンを披露する寺田心
 成長した寺田心。マイクを両手で握る2014年(右)と比べると
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 俳優の寺田心(14)が、NHK土曜ドラマ「ひきこもり先生シーズン2」(総合、前編17日、後編24日 それぞれ後10・00)に出演する。このほど、デイリースポーツなどの取材に応じ、役作りの過程で、かつて誹謗(ひぼう)中傷を受けたことを思い返して、涙したことなどを語った。

 元ひきこもりの中年男(佐藤二朗)が中学の不登校クラスの非常勤講師となる物語。寺田は自宅で母を介護するヤングケアラーながら、支援を受け入れようとしない生徒、篤人を演じる。

 寺田は「その役と深く向き合わなきゃならなかったので、自分自身でその役を考えたりとか、自分のことと照らし合わせて考えなきゃいけなかったので、結構苦しいときもありました」と役作りでの苦労を吐露した。

 撮影前には、生徒役全員で、お互いの悩みや心の内側をさらけ出すディスカッションを行ったという。泣き出す生徒がいる中で、寺田自身が涙することもあった。

 「泣きました。誹謗中傷のことって、人に言う機会もなかったし、気にしていなかったんです。でも、思い返してみると『苦しいぞ』と思って泣きましたね」

 6歳のころにテレビドラマに出演し、せつない演技で注目され、CMなどにも多数起用された。売れっ子となる反面、やゆする声もあった。

 「昔は、まわりと違うというのは、キツいというのはなくて、お仕事が楽しいからやっていた。それより、僕がテレビに出させていただくことで、誹謗(ひぼう)中傷はあったので、そこが少し、キツかったなというのありました」

 ディスカッションでつらい体験を言葉にすることで変化があった。「発散するとスッキリします。肩の荷が下りるというか、しばられているというか、これだけは言っちゃいけないという、重荷が下りると『あ、言えた』って」

 現在、私生活では、中学2年生になった。学校生活ではバスケ部に入り、部活に勉強にと楽しい日々を送っている。

 「毎朝4、5時からバスケの自主練をしてるんです。W杯?サッカーはよく分からなくて…(朝4時キックオフの)スペイン戦のときは、クラスの友達から『そんなに早起きしてるなら、なんで見ないんだ』って言われました」

 苦笑しながら語る顔はりりしく、充実ぶりを感じさせる。将来の夢も明確だ。

 「一つやりたいことがあって。獣医師免許をとりたくて、仕事を両立して。世界中の犬を助けて、世界で(俳優の)お仕事もできたらと思っています。学校が英語に力を入れている学校なので」ときっぱり。

 「自分が好きなサッカーと言う分野で世界まで行っている人がいる。お仕事や動物を助けるというこの夢で、世界に行けるんだという勇気をもらえた」

 サムライブルーの活躍からも刺激を受け、寺田心は、さらに成長していく。

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