志垣太郎さん 3月に死去していた 息子・匠「あまりに突然」ショックで9カ月公表できず

 志垣太郎さん
 匠(たくみ)のツイッター@kazunetakumiから
 白坂紀子さん(左)との結婚を発表した志垣太郎さん=1985年
3枚

 俳優の志垣太郎(本名河村稔=かわむら・みのる)さんが3月5日に遠征先の佐賀県で心不全のため亡くなっていたことが7日までに分かった。70歳。6日に長男で元俳優の匠(34)が自身のツイッターで報告。突然の逝去を受け止めきれず、死去から9カ月後の発表となったことを説明した。志垣さんの人気に火を付けた、1971年放送のドラマ「おれは男だ!」で共演した森田健作(72)、早瀬久美(70)らが盟友を追悼した。

 天性のルックスで世間を魅了した二枚目俳優が、ひっそりとこの世を去っていた。

 6日夜に匠はツイッターを更新。母で元女優の白坂紀子さん(64)との連名で「父 志垣太郎が、2022年3月5日に遠征先の佐賀県において、急な体調不良による心不全により帰らぬ人となりました」と訃報を伝えた。

 ショックが深く、9カ月発表できなかった。「いつも元気だった父に起きたあまりに突然の出来事であり、私と母は現実を受け止める事ができない状態が続いておりました」と思いがけない別れとした。

 一家の大黒柱として支えた生前の父の姿を「常に物事を前向きに捉えて生きている明るく元気な人でした」と述懐。「私も母もそんな父の事が本当に大好きでした。父は恐らくそれ以上に私達の事をたくさん愛してくれたと思っております」と感謝した。

 志垣さんの出世ドラマ「おれは男だ!」に主演した森田は「大変驚きました」と突然の訃報に衝撃を受けた。志垣さんは同作で森田のライバルとなる転校生を熱演。撮影で頭にけがしたときのことを振り返った森田は「志垣さんが転校生で来て、彼の話でドラマが展開して私の負担が軽くなり非常に助けられました」と感謝した。

 同作でヒロインを演じた早瀬も6日夜に訃報を聞いた。同作のほか「旅番組に森田健作さんと3人でご一緒したり、突撃で、議員会館を見学しに行ったり…思い出がたくさんあります」と記憶をたどり、「ハンサムな顔に似合わない、テンション高めな、よく喋る面白い方でした」と生前の姿を思い浮かべた。

 陶器人形を作る趣味を持つ早瀬は、30年前に作品を志垣さんに贈ったという。3年前に対面した匠から「今でも飾ってありますよ」と教えてもらったといい、「感激しました。大事にしててくれたんだなあ、と改めて優しさが心に残ります」と心遣いに感謝した。

 志垣さんは、俳優業以外にも陽気なキャラで「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」などバラエティー番組にも出演。お茶の間で愛され続けた70年の人生だった。

 ◆志垣太郎(しがき・たろう)本名・河村稔。1951年9月22日生まれ。東京都大田区出身。妻は元女優の白坂紀子、長男は元俳優の匠。69年に舞台「巨人の星」に本名で主演しデビュー。71年、ドラマ「おれは男だ!」でブレーク。72年、NHK大河ドラマ「新・平家物語」、76年「あかんたれ」で演技派として確立。陽気なキャラで多方面に進出。「噂の!東京マガジン」では街ロケに挑戦。

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