４月１日、「バイキングＭＯＲＥ」（フジテレビ系）を卒業した坂上忍がすぐに始めた新番組が「デマ投稿を許さない」（ＡｂｅｍａＴＶ）だ。

　放送作家の鈴木おさむ氏が企画・構成と裏回しを担当。文字通り、ネット内のデマ投稿を検証し、当該ゲストと坂上が忖度なしで、ぶっちゃけトークを繰り広げる３０分だ。

　近年、芸能人の多くが不満に思っているのは、ＳＮＳでの一般の方のコメントがそのままネットニュースになること。その中には想像や邪推も少なくないのだが、それらがあたかも真実であるかのようにニュースになってしまう。中には「え？そこ？」と驚くような論点や視点も多いようで、それらはトークバラエティの中で度々話題にされる。

　以前、「人志松本の酒のツマミになる話」（フジテレビ系）である男性アイドルが「驚くほど知らない人が書いていますよね」と言っていたのが忘れられない。特にテレビ番組やドラマについては、現場のことをわかっていない書き手がわかったように書いていることが確かに多い。芸能人についてもテレビでの見た目と素顔とは、たいてい異なるものだ。それを一般の方がわからないのはある意味、仕方がないことだが、悪意のある記事になれば、そちらのほうが真実になってしまう。

　業界人の一人として、鈴木おさむ氏もそうした風潮を「おかしい」と思っていたに違いない。そして「バイキング～」時代、そうしたＳＮＳの声やネットニュースで、あることないこと書かれ続けていた坂上に白羽の矢を立て、同じく、デマ投稿が多い有名人との対談が実現したのである。

　それこそ既にネットで話題になっているが、中島知子や華原朋美、堀江貴文氏らをゲストに迎え、坂上と対峙。フロアに居る鈴木氏が絶妙なタイミングでフォローを入れている。業界を知り尽くし、多くの人気番組を世に送り出した鈴木氏だけあって、その存在はサブＭＣといったところ。鈴木氏は後ろ姿のみの“出演”だが、その体型と物腰のやわらかさが優しさを醸し出しているし、自分以上にネットで叩かれたゲストの気持ちを熟知した坂上の言動も見ていて気持ちがいい。鈴木氏によれば、「オンエアを見せていただいてから出演を決める」という事務所が多いそうだが、出て損はないとみた。シーズン１の折り返し。今後のラインアップが楽しみでたまらない。