ロシア 地下貫通弾使用か ウクライナ高官が非難「子どもたちへの殺人行為」

 ロシア軍はウクライナ南東部の要衝マリウポリの製鉄所に立てこもるウクライナの部隊に対し、投降を要求するなど圧力を強めた。製鉄所の地下などには子どもや女性を含む民間人が多数いるとされ、ウクライナ側は「状況は深刻だ」と危機感を表明。ロシア側が地下施設への直接攻撃が可能な特殊貫通弾(バンカーバスター)を使用したと述べ、非難した。

 ロシア側はこれまでも降伏を要求してきたが、ウクライナ側は拒否し、頑強に抵抗。だが製鉄所内に残るウクライナ軍の部隊司令官は20日の声明で「製鉄所には500人以上の負傷者と数百人の民間人がいる。ここに残れるのはあと数時間かもしれない。敵はわれわれの何十倍もいる」と深刻さを訴え、救助を求めた。

 ロシアとの停戦交渉団を率いるウクライナのポドリャク大統領府長官顧問は、製鉄所へのバンカーバスター投下は「子どもに対する殺人行為」とツイッターで非難した。

 ウクライナのベレシチューク副首相は20日、マリウポリから民間人を退避させるための人道回廊の設置でロシア側と同日合意したと説明。南部ザポロジエに退避するとしているが、人道回廊での退避は度々失敗している。

 ロシア軍は親ロ派が一部を実効支配する東部2州の完全制圧などに向けた攻撃を継続。ロシア国防省は19日、東部ドネツク州や南部ヘルソン州の軍事施設計31カ所を空爆し、破壊したと説明。また、ヘルソン州などで燃料貯蔵庫を含む軍事施設1053カ所をミサイルなどで攻撃したと20日に発表した。

 米国防総省高官によると、ロシア軍がドネツク州南西部や東部ハリコフ州イジュムの南部で限定的な攻撃作戦を始めたのが確認された。大規模攻撃の「前触れ」と分析した。

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