【山田美保子のミホコは見ていた!】「ズムサタ」モッチー取締役就任に思うこと

 2004年10月から「ズームイン!!サタデー」(日本テレビ系)のMCを務めて17年。「モッチー」の愛称で、視聴者人気が抜群に高い望月理恵が、所属事務所「セント・フォース」の取締役に就任したというニュースには、後輩キャスターはもちろん、全国の女性アナウンサーに勇気と希望を与えたのではないか。

 初代司会者・福澤朗の時代から数年間、コーナー作家として携わった私は番組への思い入れが強く、今も土曜朝は“ズムサタ派”だ。初代女性司会者の山岡三子に代わって加わったモッチーは、持ち前の大らかさと華やかな美貌、安定したアナウンス力で、すぐに番組の“顔”になった。

 過去の名シーンは多々あるが、何と言っても印象的なのは、ドラマ「ごくせん」オンエア時、真っ赤なトレーニングウェアに着替え、髪をツインテールにし、仲間由紀恵になりきり番宣をしたことだろう。現在は、人気コーナー「スナック・モッチー」を仕切り、どんなジャンルのゲストがやってきてもママとして即座に相手を和ませ、とっておきのエピソードを引き出している。

 気が付けば、共演者は気象予報士の杉江勇次氏以外、全員年下。でも、偉ぶることなく、共演者をニックネームで呼び、先頭でスタジオを和ませているモッチー。だからだろう、この4月から総合司会を務める同局の梅澤廉アナも伸び伸びやれているように見える。

 17日、自身のブログで取締役就任の決意表明と同時に「皆様、私が偉くなったわけではありませんから!」と#(ハッシュタグ)をつけて強調したモッチー。彼女の人柄を思えば、肩書を盾に偉そうな振る舞いをするはずもなく、しかし事務所のため、後輩のために貢献していくのだろう。思えば、お嬢様らしい正統派と、近年、神田愛花や鷲見玲奈らキャラ立ちのキャスターが目立つ同社にあって、双方の魅力を兼ね備えた元祖がモッチーだ。

 そんな彼女を取締役に抜擢した久保地美晴社長にも拍手を送りたい。所属タレント一人一人の個性を見抜き、向き合い、温かく育てつつ、現場にも頻繁に顔を出す優しき男性で、テレビ局の女性スタッフからの人気も高い。こういうトップばかりだったら業界の女性はもっと働きやすくなるのではないかと思う。

 モッチーこと望月理恵の「セント・フォース」取締役就任。私まで大きな勇気を貰った。

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