藤井聡太棋聖 渡辺明三冠と初防衛戦 表情りりしく「気持ちが高まってきた」

 会見に登壇した藤井聡太棋聖
 棋聖戦5番勝負の第1局を控え、記者会見する渡辺明三冠=千葉県木更津市
 棋聖戦5番勝負の第1局を控え、記者会見する藤井聡太棋聖=千葉県木更津市
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 将棋の藤井聡太棋聖(王位との二冠=18)が初防衛をかけて渡辺明三冠(名人、棋王、王将=37)の挑戦を受ける「第92期棋聖戦5番勝負」が6日、千葉県木更津市で開幕する。前期は藤井棋聖が渡辺三冠からタイトルを奪い、今期はリベンジマッチを受ける。両雄は5日、同市で前日会見に臨み、藤井棋聖は「今回はタイトルホルダーという立場。徐々に気持ちが高まってきた」と意気込んだ。

 “現役最強”と称される渡辺三冠を3勝1敗で破り、最年少の17歳11カ月で初タイトルを獲得してから約1年。当時はあどけなさも残っていた藤井棋聖だったが、会見ではタイトルホルダーの風格が漂うりりしい表情でしっかり答え続け、この1年を「今までにない忙しさだったけど、結果も出て成長できた」と振り返った。

 前期は第2局で藤井棋聖が指した“AI超え”の妙手・3一銀が話題になるなど、記録にも記憶にも残る名勝負に。その後、藤井棋聖は8月に王位を獲得し最年少二冠を達成。銀河戦や朝日杯将棋オープン戦も制した。渡辺三冠も8月、悲願の初名人を獲得。王将、棋王、名人を防衛し、互いに充実した状態でリターンマッチを迎えた。

 昨年はコロナ禍の影響を受け、準備期間もなく開幕を迎えたが、今年は「自分なりにしっかり取り組めたと思います」と手応え。1年ぶりにタイトル戦で相まみえる渡辺三冠について「手ごわい印象。作戦が巧みなんで後れを取らずに対応できればなと思います」と表情を引き締めた。

 初防衛戦となるが「あまり違いは意識せずに臨めればなと思います。熱戦になるように全力を尽くしますので、楽しんで観戦していただければと思います」と呼び掛けた。

 返り咲きと、自身最多となる四冠に挑む渡辺三冠は「昨年負けてるので1年でどういった変化をつけられるかが焦点。タイトル3つ持ったいい状態で戦えるので、技術的なところに注目してもらいたい」と意気込んだ。

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