加藤シゲアキ 「オルタネート」が「高校生直木賞」受賞 「吉川英治-」に続き2冠

 作家としても活躍する人気アイドルグループ・NEWSの加藤シゲアキ(33)の小説「オルタネート」が、「第8回高校生直木賞」を受賞したことが30日、発表された。高校生が「今年の1作」を選考する文学賞で、この日オンライン選考委員会が行われ、同作と、伊吹有喜氏の「雲を紡ぐ」の両作品が大賞に決まった。加藤は3月に受賞した「第42回吉川英治文学新人賞」に続く快挙となった。

 直近1年間の直木賞候補作から、絞り込まれた最終候補5作の中で、両作品が得票数で並び同時受賞に輝いた。「オルタネート」は高校生のマッチングアプリを軸に苦悩や葛藤を描いた青春群像劇で、若者の等身大の日常を描いた長編小説。ティーンエージャーたちの心をつかみ、現在までに累計17万8000部を記録している。

 加藤は受賞の知らせを受け「若い世代に読書の楽しみを知ってもらいたいと思って書いた作品です」と明かし、自身の思いが若年層の感性に刺さったことに「自分の願いが叶い、実際に高校生の方々に届いたのであれば、これ以上に幸せなことはありません」と感無量。「この本をきっかけに、人生最高の一冊と出会う旅に出発してほしいと思います」と次世代を担う若者たちにエールを送った。

 今作では「吉川英治文学新人賞」も受賞。受賞はならなかったが「第164回直木賞」「2021年本屋大賞」の候補作品にも選ばれており、2012年に「ピンクとグレー」で文壇デビューした加藤にとって作家として大きな飛躍を遂げた1年となっている。

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