加藤シゲアキ 執筆開始から丸10年 ここまで続けてこられた自分を褒めてあげたい

 長編小説「オルタネート」で第42回吉川英治文学新人賞を受賞した、NEWSの加藤シゲアキ(33)が9日、都内で行われた贈呈式に出席。最も将来性のある新人作家に贈られる同賞受賞に笑顔で、喜びのスピーチを行った。執筆開始から現在までの10年間を「長かったような短かったような」と総括した上で「ここまで続けてこられた自分を褒めてあげたい」と鼓舞。「これからも書き続けたい」と創作意欲を燃やしていた。

 初めて筆を執った2011年から丸10年。継続を武器に執筆を続け、アイドルのみならず“作家先生”と認められた事実に思わず笑みがこぼれた。

 3月に行われた、選考会後の会見でのパーカ&パンツのカジュアルスタイルとは違い、この日はグレーのスーツ姿でキメて登場。「この度は僕を選んでいただき、ありがとうございます」と感謝を述べて、「自分がこの場に立っているのが夢のようであります」と喜びの声を上げた。

 同作は、高校生限定マッチングアプリ「オルタネート」によって運命が交錯する若者を描いた青春群像劇。和田竜氏の「村上海賊の娘」、辻村深月氏の「ツナグ」など話題作が受賞してきた栄誉ある賞で、アイドルでは初の受賞となった。

 執筆開始当初は「これほど優れた作品がある中で作品を作る意味があるのだろうか」と自問自答。それでも粘り強く執筆を続け、つかんだ栄光に「受賞が少しだけ慰めてくれた。何とかここまで続けてこられた自分を褒めてあげたい」と拍手を送った。

 現在3年半ぶりの主演舞台「モダンボーイズ」に出演中。この日も公演後に新国立劇場から駆けつけた。アイドル、役者、作家とさまざまな顔を持つ加藤は「物語の力を知っているから人は物語を求める。これからも書き続けていきたい」と“表現者”としての矜持を胸に前進を誓った。

 選考委員の宮部みゆき氏は「群像劇が端正に描かれている」と作品を高く評価。「これからもガンガン働いて、ガシガシ良い作品を書いてほしいなと思っています」と将来へ期待した。

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