坂本龍一、直腸がん罹患…医師の見解「進行がんの可能性も治療に目を見張る進歩」

 音楽家の坂本龍一(69)が、直腸がんであることを21日、公式サイトで公表した。2014年に中咽頭がんで闘病しており、自身2度目のがん罹患(りかん)となる。

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 癌(がん)の死亡原因の2位が大腸癌です。男性で3位、女性では1位です。食の欧米化に伴い年々大腸癌が増えています。基本的に遺伝はしませんが、遺伝的素因のある特殊なケースもあります。よく耳にする潰瘍性大腸炎などもリスク因子の一つです。

 肛門からすぐの部位にある直腸にできる癌を直腸癌といい、大腸癌の多くの割合を占めています。進行してくると下血、便柱の狭小化、排便困難などを伴います。大腸は最も外側に漿膜(しょうまく)がありますが、直腸は肛門の近くになると漿膜がない部分があり、直接周囲に浸潤して手術が困難なことがあります。

 癌が肛門に近すぎると人工肛門を作らざるを得ないこともあります。最近は、手術技能の発達で一昔前なら人工肛門が必要な状況でも肛門を温存できる場合があります。

 また、大腸癌は周囲のリンパ節、臓器に直接浸潤するだけではなく、肝臓に転移しやすい傾向があります。さまざまな優れた抗がん剤が出現しており、肝臓全体に癌が転移していても、抗がん剤だけで完全に消失するケースもあります。

 坂本さんは「がんと生きる」と公表されておられるので、早期癌ではなく進行癌であることも予想されますが、治療には目を見張る進歩があります。治療に臨んで頂き、再びお元気な姿を拝見したいと心から祈っております。(兵庫県伊丹市・たにみつ内科 谷光利昭院長)

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