「鬼滅」アニメ制作会社1億3900万円脱税 隠した所得は社長宅金庫に

 人気漫画「鬼滅(きめつ)の刃(やいば)」のアニメ制作を手掛ける制作会社「ユーフォーテーブル」(東京)と近藤光社長(50)が、約4億4600万円の所得を隠し、法人税と消費税計約1億3900万円を脱税したとして、東京国税局から法人税法違反などの疑いで、東京地検に告発されたことが3日、関係者への取材で分かった。同社は「国税当局の指導に従って修正申告し、全額納税した。本件を契機として法令を順守し、経営の適正化に努める」とコメントした。

 計約4億4600万円の所得を隠した疑いで告発された「ユーフォーテーブル」は、手掛けた作品の人気を背景に飲食事業に進出し成功していた。

 信用調査会社によると、同社は近年、作品が立て続けにヒットする一方、飲食店事業にも進出。2006年に東京都中野区にカフェ1号店「ufotable Cafe」を開設。名古屋市や徳島市、北九州市などでカフェやレストランを展開し、作品関連のメニューやグッズが目当てのアニメファンでにぎわっているという。

 関係者によると15、17、18年の各8月期までの計3年間、東京と大阪で運営するカフェなど4店で、帳簿を改ざんして売り上げから3~5割を除外し申告せず、計約4億4600万円を隠した疑いがある。

 隠した金は当時の近藤社長宅の金庫に現金で保管し、同社の運転資金に充てたとみられる。19年3月の家宅捜索では、金庫から現金約3億円が見つかったもようだ。

 中野区の店では現在、「鬼滅の刃」をテーマにしたメニューやグッズを提供。新型コロナウイルスの感染拡大による一時休業から再開した5月29日、店の前には行列ができた。好きなキャラクターのコースターなどを目当てに何度も訪れる人が多いという。女性客は「『鬼滅の刃』のファンで、訪れるのは2回目」と話した。

 同社は公式サイトに【東京国税局による告発について】とした文面を掲載。「弊社作品を応援いただいておりますファンの皆さまをはじめ、関係者にご心配、ご迷惑をおかけすることについて誠に申し訳なく、心よりお詫び申し上げます」と謝罪した。

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