ミルクボーイ M-1決勝1本目「コーンフレーク」か「モナカ」か 決断したのは…

 “最強王者”の勢いが止まらない。昨年12月に開催された漫才No.1決定戦「M-1グランプリ 2019」で優勝したお笑いコンビ・ミルクボーイの駒場孝(33)と内海崇(34)。審査員7人制の史上最高得点をマークするなど、圧勝だったM-1決勝から1カ月あまり、休日は1日もない。歴代最高とも称されたハイレベルな戦いを制した裏にあった意外な決断、そしてこれから歩んでゆく道のりを、2人が語り尽くした。

  ◇  ◇

 M-1の歴史的激闘から1カ月。内海は「人生変わりましたね、すべて変わりました。仕事、ファンの方の感じとか、社員さんの感じとかも変わりましたね。移動もグリーン車になりました。なかなか経験できることじゃないんで、ありがたいですね」と実感を口にした。

 M-1の決勝までは、全国的な知名度はほぼ0だった。「サンドウィッチマンさんと比べられますけど、あちらは『エンタの神様』とか出られてましたから、僕ら(歴代王者で)一番、無名なんじゃないですか」と内海。駒場も「吉本の師匠にも言われました。『1日でここまで人生変わったやつ、初めてちゃうか?』って」と笑った。

 初めて挑んだ“全国区”の勝負。内海は「予選を見に来る、濃いお笑いファンにはウケる自信があったんですけど、決勝は観覧募集だから、一般寄りの方になる。そこでの僕らの見方がどうかなと思った」。それでも1本目の序盤から、観客を完全に魅了した。「大体、最初の五角形のところで『得意なところで勝負してると俺はにらんでる』っていうフレーズがあるんですけど、あれでハマったら、あとは乗っていくだけなんです。あれがハマった時点で落ち着きました。『ここでこれだけウケたら、トラはどうなるんやろ』って考えてましたね」と笑った。

 基本的に「人の言っている言葉とか、テレビから流れる言葉とかから、テーマを引っ張ってくる」というネタの作り方をしているという2人。歴代最高得点をたたき出した「コーンフレーク」ネタは、後輩芸人が発した「コーンフレークでダイエットしてるんです」という一言が元だった。「その場では『なんやそれ』と言ってたんですが、後で『そういえば何か言うてたな』と。主食のようでお菓子なのか、よくわからないから面白かった」と内海。駒場も「実態が分かりそうでわかりにくい、という言葉が言いやすい。『コーンフレーク』には、ネタとしてのポテンシャルがありましたね」と話した。実際「新ネタをするライブが3日後にあって、何かないかなと思ってたところだったので、すぐ出来た」という。

 ネタが生まれたのが昨年5月末。M-1の3回戦で繰り出した結果「メチャクチャ受けた」。だがその段階では、「僕らは(決勝2本目でやった)モナカの方がいいと思ってたんです」という。内海は「でもみんなは、コーンフレークの方がいいって言うから、準決勝でちょっとコーンフレークを“強くした”んです。ワードを加えて、鍛えに鍛えて強くなった。自分らの中で照らし合わせて、コーンフレークの方が強いとなった」と振り返った。駒場も「もし1本目うまいこといったら、モナカもいける。家系図のくだりとか、同じかと思われてもちょっと違うとなれるし」と戦略を語った。

 それでも、万全の自信があったわけではなかった。準決勝後、テレビ番組の収録で「コーンフレーク」のネタを演じたところ「スベったんです」。思わぬ展開に、本番に向けて不安が増幅したが、1週間前の12月16日、自らが主催しているお笑いライブ「漫才ブーム」の現場が転機となった。「M-1の決勝に行ったから、800人以上のお客さんが迎えてくれて…こんなに応援してくれる人がおるなら、スベっても関係ないと。全部ぶつけようと気持ちが入れ替わった。あの後押しが大きかったですね」と内海は感謝の言葉を述べた。

 M-1の決勝までは、「月の半分ぐらいはオフだった」という2人。一時はお笑いから気持ちが離れかかっていた時期もあった。それでもギリギリ、踏みとどまっていた理由を駒場は「(自分たちは)おもろいからなぁ、というのがあった、と。結果は出せてないけど、力合わせたらちゃんと面白いんだぞという自信というか」と語る。内海は「昔のネタは、今より変でしたね。コアなところを攻めようとしていた。やろうとしても、今はもうできないですね」と笑った。

 今後の目標を問うと、内海は「漫才師日本一になりたい」とキッパリ。「そういう意味では、なんばグランド花月の劇場に出させていただくことがその道には近いと思うので、ベースは大阪に置いておきたい」と明言した。さらに「漫才にこだわりもありますし、自分たちは漫才に助けられた恩がある。M-1史上最高得点への責任もありますし…」とこだわりを吐露。駒場も「僕らは漫才をやりたくて芸人になった。『他のことやりながらでもやれるやん』言われますけど、極めたいとなると、やっていればいいというもんじゃないですから」と言葉に力を込めた。

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