２３日に老衰のため８８歳で死去した松竹新喜劇の俳優、小島慶四郎さんの通夜が２５日、大阪市内の斎場でしめやかに営まれ、約８０人が参列した。祭壇には同新喜劇「鼻の六兵衛」での当たり役だった白塗りの殿様などの舞台写真が飾られた。

　参列した劇団代表の渋谷天外（６５）は、死後すぐに小島さんの亡きがらと対面。最期は１週間ほど水も食事も口にせず、まるで自然死のようだったという。「非常に良い亡くなり方をしたんじゃないか。昼寝している兄ちゃんそのままの顔でした」と目を腫らした。

　長い間、けんかをしていたという天外は「舞台上で、おやじ（２代目渋谷天外）が泣くぞと言われ、言い返したこともあった。怒ってくれたことはいい経験。怒ってくれてたんでしょうね。怒られたひと言ひと言で、今の僕自身がいる」と、小島さんからの苦言の数々を懐かしそうに振り返る。

　松竹新喜劇の未来を考え「私もいずれ（天国から）お呼びがかかる。兄ちゃんがやってくれたように（藤山）扇治郎くんの尻を蹴っとばさないと…」と話した天外。通夜では、３歳になる小島さんの孫の女の子が「この子はひょっとして、将来松竹新喜劇に入るかもしれない」と親族から紹介され、参列者の泣き笑いを誘った。