脳幹出血のため９日に４８歳で死去した落語家・桂三金（本名・奥野武志）さんの葬儀・告別式が１３日、大阪市内でしめやかに営まれた。

　一門ら約３００人が参列する中、紋付き羽織はかま姿の師匠・桂文枝（７６）が弔辞を読んだ。「もっと生きていてくれたら、すごい落語家になったのに。なんでやねん。病院に駆けつけて耳元で呼びかけたのに、目を覚ませへんかってん」と無念の思いを表すと、言葉を詰まらせ号泣。会場中に参列者がすすり泣く声が響いた。「三金、帰って来てくれ。お前がおらんとみんなさみしいねん。ひどいやんか。けれども三金、僕を師匠に選んでくれてありがとう。２５年間、めっちゃ楽しかったぞ。最後に言わしてくれ。三金のアホ…」と約６分間、涙声でまな弟子に語りかけた。

　三金さんと同じ１９９４年に落語界入りした桂春蝶（４４）も目を赤くし「同期の中で一番、人のためにやってくれる人。彼ほど、太っていることを芸として確立した人はいない。（太るために）無理して食べていたこともあったのではないか。みんないつも（体調を）心配していた」と、体重１２０キロ超という体形を高座で生かし、親しまれた三金さんの素顔を明かした。「あなたがいてくれたおかげで自分もここまで頑張ってこられた、という言葉をかけた。あまりにさみしい」と、早すぎる別れを惜しんだ。

　桂小文枝、桂小枝、桂文福、林家菊丸らも参列した。