１９６０年代後半から８０年代前半にかけて人気を博し、ロックの殿堂入りも果たした米ロックバンド「スティーヴ・ミラー・バンド」の初めての本格的なアンソロジー「ＷＥＬＣＯＭＥ　ＴＯ　ＴＨＥ　ＶＡＵＬＴ」が１０月１１日に世界同時発売されることが１２日夜、発表された。

　本ボックスセットはＣＤ３枚とＤＶＤで構成され、ＣＤにはデモ音源、リハーサルテイク、アウトテイク、ライブ音源などのレアトラック３８曲を含む５２曲を収録。レアトラックのうち５曲は、６０～７０年代にレコーディングされた完全未発表曲だ。

　未発表曲の中には、幕開けを飾る、６９年にサンフランシスコのフィルモア・ウエストで収録されたリトル・ウォルターの１０分に及ぶカバー「ブルーズ。ウィズ・ア・フィーリング」や、とう尾を飾る、Ｔボーン・ウォーカーが５１年にミラー家のリビングで演奏した「ロリー・ルー」と、ミラーが１６年にウォーカーのトリビュートコンサートで演奏した同曲などがある。

　ＤＶＤには６０～２０１０年代にかけて残してきたライブ映像から、７０年のフィルモア・ウエストでのステージ、「ドン・カーシュナーズ・ロック・コンサート」で放送された４３分に及ぶ７３年９月のニューヨーク・パレス・シアター公演、ジェイムズ・コットンと共演した７４年の「ＡＢＣイン・コンサート」、９０年のニューヨーク、ファット・チューズデイでのレス・ポールとの共演など、よりすぐりの２１曲が収録される。

　本ボックスセットにはリーダーでギタリストのミラーが全面的に協力し、アートワークにもミラーが提供した写真や資料をふんだんに使用。ロック評論家デヴィッド・フリッケが９０００語に及ぶライナーノーツを書き下ろしている。

　ミラー・バンドは１３日のアイオワ州デモイン公演からマーティ・スチュアート＆ヒズ・ファビュラス・スパーラティヴズとの全米ツアーを開始。ツアーは８月３１日のワシントン州ウッディンヴィル公演まで約２カ月半にわたって続く。