昨年４月、歩行中に看板が直撃する事故で脊髄損傷の重傷を負い、車いすで活動しているアイドルグループ・仮面女子の猪狩ともか（２７）が２８日、都内で行われた障害者向け求人サイト「エラビバ」発表会に出席した。

　同サイトのオフィシャルアンバサダーに就任した猪狩は車イスにアイドル衣装で登場。４月に初当選した元仮面女子のメンバーで、東大卒の橋本ゆき渋谷区議会議員（２６）と今年３月末の卒業後、初めて仕事で共演。猪狩は「とても感慨深いですね。卒業メンバーと会うことは、ほぼほぼないので。光栄に思います」と再会を喜んだ。

　橋本氏がジャケットにスカート姿とこれまでにない装いだったことから、「一目見たとき、急にセレブ感が…。大人の女性になられたなという印象を持ちました」と区議会議員としてのたたずまいを感じ取ったという。仮面女子で２年間一緒に過ごした仲間が議員となったことに、「東大卒のアイドルとしてコメンテーターの仕事もされていた。まさか議員になるとは思ってなかった。でも、夢を叶えてすごいな」と驚いていた。

　事故から約１年１カ月が経過した。車イスに乗って活動を続ける猪狩は、「横になると、すごいだらけていると思われるけど、必要不可欠だと分かってもらいたい」「車で移動中に、足を上げてなるべく血が流れてくれるように、むくみを防止しているのですが行儀が悪いと思われる」と理解を願いつつ、「体力をつけて仮面女子のワンマンライブで、一曲でも長く出演できたら」と目標を語った。

　一方の橋本氏は「『コラボしたいね』と言っていたらこんなに早く実現するのはうれしい」と再会を喜んだ。猪狩の事故と、その後も活動する姿を見て、「人間何が起こるか分からないと感じた。復帰に勇気をもらい、どれだけ励まされたか。猪狩はよく笑うのですが、笑える社会を作って行きたいなと思いました」と影響を受けたことを明かしながら、目標を口にしていた。