前天皇陛下 最後のお言葉「国民に心から感謝」 さようなら平成

 新天皇陛下が1日、皇太子から即位された。30年余り続いた「平成」が終わり、「令和」に改元。新陛下は59歳で、戦後生まれの初めての天皇になった。前天皇陛下は4月30日限りで退位し、上皇となった。天皇の退位は、江戸時代の光格天皇以来202年ぶりで、憲政史上初めて。前陛下は30日夕、皇居・宮殿「松の間」で代替わりの重要儀式「退位礼正殿(せいでん)の儀」に臨んだ。在位中最後のあいさつで「象徴としての私を受け入れ、支えてくれた国民に、心から感謝します」と述べた。

 今日(こんにち)をもち、天皇としての務めを終えることになりました-。皇居に厳粛な空気が流れる中、宮殿「松の間」で30日行われた「退位礼正殿(せいでん)の儀」。象徴天皇として迎えた最後の日、前天皇陛下は国民に語り掛けられた。

 モーニング姿の前陛下は、皇位のしるしとされる「三種の神器」のうち剣と璽(じ)(勾玉=まがたま)を持った侍従らに挟まれて松の間に入ると、ゆっくりとした靴音を響かせながら安倍晋三首相ら参列者の前の壇の上へ。ロングドレス姿の前皇后美智子さまも続き、前陛下の横に立った。

 新天皇、皇后両陛下、皇嗣(こうし)秋篠宮ご夫妻ら成年皇族が、壇の下で横に並ぶ。剣と勾玉は侍従の手で、壇に設けられた台に置かれた。

 安倍首相が国民代表で謝辞を述べた後、前陛下は「最後のお言葉」として、国民と共にあったこれまでの日々を「幸せなことでした」と表現。「明日から始まる新しい令和の時代が、平和で実り多くあることを、皇后と共に心から願い、ここにわが国と世界の人々の安寧と幸せを祈ります」とした。

 参列者は首相のほか衆参両院議長、閣僚ら約290人。儀式は約10分で終わり、前陛下は美智子さま、新陛下ら皇族を伴って松の間を後にした。

 儀式に先だって午後4時半すぎ、新両陛下が乗った車が皇居・半蔵門に到着。集まった人から「雅子さまー」などの声が飛んだ。2人は窓を開け、ほほ笑みながら手を振って応えた。半蔵門前には多くの人が集まり、秋篠宮ご夫妻ら皇族の出入りを見守った。

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