１４日午前１１時１０分ごろ、山陽新幹線の新大阪－新神戸間を走行中の東京発博多行きのぞみ１７号が、非常用の開閉用コックを使って扉が開けられたため急停車、乗客の５０代の男が車両から降り、線路内に立ち入った。

　兵庫県警葺合署によると、線路上でＪＲ西日本の職員が男を取り押さえ、車内に連れ戻し約４５分後に運転再開。男に目立ったけがはなく、新神戸駅で引き渡された署員が新幹線特例法違反の疑いで現行犯逮捕した。

　男は線路内に立ち入ったことについて「間違いない」と認めているが、氏名や動機は黙秘しているという。

　安全確保のため上下線を停電させた影響で、山陽新幹線は同区間で一時運転を見合わせた。計２５本に最大４７分の遅れが出て、約１万４千人に影響した。

　ＪＲ西の東京新幹線総合指令所によると、午前８時３０分に東京を出発した列車は、新大阪駅を出て間もなく、９号車で非常用の開閉用コックを使って扉が開けられた。運転士が警告サインに気付き急停車させると、男が線路上に降りたという。同システムは、時速５キロ以下にならないとドアが開けられないようになっているという。

　男はすぐに乗務員に車内に戻された。車内では、意味不明の言葉を叫んでいたという。新神戸駅で降ろされ、担架に乗せられ、移送された。危険物を持っていたとの情報はない。