第７３回毎日映画コンクールの表彰式が１４日、カルッツかわさきで開催され、柄本佑（３２）が「きみの鳥はうたえる」で男優賞（主演）を、妻の安藤サクラ（３２）が「万引き家族」で女優賞（主演）を受賞した。長い歴史を誇る同賞でも、主演賞の夫婦同時受賞は初めての快挙。

　安藤はヒロインを務めるＮＨＫ連続テレビ小説「まんぷく」の撮影が大詰めのためビデオメッセージを寄せ、「個人的には夫が男優主演賞をいただくことになって、それがすごくうれしい。感慨深いといいますか。『きみの鳥はうたえる』の撮影中に娘が生まれまして、『万引き家族』は産後初めての映画で、お乳をあげながら参加した作品です。自分たちにとっても特別な賞になりました。改めて言うと恥ずかしいけど、本当にうれしい」と喜んだ。

　柄本は「うちの妻のメッセージで『きみの鳥はうたえる』に触れちゃったよ！」と言いつつも満面の笑み。「なんかうれしいですね。でも恥ずかしいですね。夫婦同時っていうのも。でも、考えてみると一生に一度しかないこと」と、照れながらも素直に喜んだ。

　また、昨年１０月に死去した母・角替さんが俳優デビューのきっかけになっていたことを告白。柄本は黒木和雄監督の映画「美しい夏キリシマ」でデビューしたが、本来は映画監督志望だった。角替さんのマネジャーが持ち込んだ話で、面接の際、角替さんに「あんたの好きな生の映画監督が見られるよ。行けば？」と言われたことが面接を受ける決め手だったという。

　角替さんに夫婦受賞を直接報告することはかなわなかったが、「絶対喜んでくれると思うし、きっと会場のどこかにいると思う。もしかしたら分身とかして、空いてる席全部に座ってるかも。喜び倍々ゲームで」と、独特の表現で角替さんの心情を代弁していた。