円楽 初期の肺がん手術は「大成功」…歌丸さんに毒舌感謝

 初期の肺がんであることを公表し、今月4日から入院していた落語家の三遊亭円楽(68)が12日、横浜市の「横浜にぎわい座」で独演会を行い、高座復帰を果たした。ファンに復帰を報告しつつ、師匠の五代目三遊亭円楽さんが得意とした演目「短命」と「浜野矩随」を熱演。開演前と終演後には報道陣の取材にも応じ、7月に81歳で死去した故・桂歌丸さんへの感謝の思いも語った。客席には、かつての弟子でタレントの伊集院光(50)も姿を見せた。

 会場入りした円楽は「無事に手術が終わり昨日退院した」と報告。5日の手術は3時間ほどだったといい、「国際的にはステージ1」と明かした上で「とりあえず手術は大成功だという話でした」と明るい笑顔で話した。

 人間ドックで十二指腸に良性の腺腫が見つかり、検査入院した際にがんが発見されたといい、「歌丸師匠に呼ばれたと思った。がんが分かった時にね。『ふざけんな、このじじい!』って、笑点の時みたいに、マジで言ったよ」と冗談めかして振り返った。

 さらに「戻ってこられたってことは、歌丸師匠が(がんを)見つけてくれたんじゃないかと思う。『楽さん、帰って落語やってくれよ』と言ってくれたんじゃないかな」としみじみ。歌丸さんのお別れ会が行われた7月11日にも同所で高座を務めただけに、「葬式の時もここ、退院後の最初もここ。あのおじいさん、ふざけてんね…。死んでまで俺をからかってやんの」と毒舌に感謝をしのばせた。

 高座では、会場のファンに、せき込んだりすることがあるかもしれないとわびつつ、「今日の三遊亭円楽をさらす。それだけの話です」とキッパリ。実際にはせき込むこともなく、1時間20分ほどの出番を終えた。

 終演後には「何とかやりました。お客さんに分からないぐらいのブレスの違いはあったけど」と話し、「心地よい眠りになるんじゃない?」と満足げ。

 今後は病理検査の結果を見ながら治療方針を決めるといい、「根治を目指して、ちょっと長旅になるかなと思いますけど、急がずゆっくり」。高座は上がれる限りは上がるといい「(ファンが)待ってくれてるからね」と円楽。「大好きだった円楽、談志、歌丸、みんな向こう行っちゃったからね。それを目指して頑張るよ」と穏やかに笑った。

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