新庄節健在 敬遠球サヨナラ打、野村克也監督との不仲説「すべて計算でした」

 阪神タイガース、日本ハムファイターズでプレーし、メジャーリーグでも活躍した元プロ野球選手の新庄剛志氏(46)が半生を振り返った著書「わいたこら。-人生を超ポジティブに生きる僕の方法」(20日発売、学研)の発売を前にこのほど、デイリースポーツの取材に応じた。

 1999年に残した伝説「敬遠球のサヨナラ打の裏話」や右手に宿る「オーラ」、さらには20億円近いお金を使い込まれてしまっても明るく生きる今について語った。

 とびきりの笑顔で、新庄氏は切り出した。「デイリー?めちゃくちゃ1面に使ってたよね。お金ちょうだい」。一瞬で場を自分のペースにしてしまうのは相変わらず。ただ、こうした行動の一つ一つが「計算している」ものなのだという。阪神時代の「敬遠球をサヨナラ打」(1999年6月12日、巨人戦)もその一つ。野村克也監督(当時)も納得した上での行動だった。

 その3日前の広島戦で敬遠された時に「これ、打てる」と直感。柏原打撃コーチ(当時)と打ち合わせ、練習を重ねて実現させた。OKを出した野村監督からは「練習をしていることがすごい」とほめられた。不仲どころか「(仲は)完璧ですよ。だから気にしなかったし、全部計算です」とさらりと言ってのけた。

 人とは違う魅力は野球以外でも自覚した。子供の頃に8回も交通事故にあったが、どれも大事には至らなかった。スピリチュアル番組「オーラの泉」に出演すれば、「右手から金色のオーラが出ている」と美輪明宏や江原啓之氏が指摘。喉のがんで声がかすれていた父親の喉に右手をあてがった次の日、「剛志おはよう!」とよく通る声であいさつされたとも明かした。

 そんな新庄氏にも、谷底に落とされる出来事があった。引退後、現役時代の金銭管理を任せていた人物による使い込みが発覚。20億円はあるはずの預金が、約2200万円になっていた。「わいたこら!(九州地方の方言で『何じゃこりゃ』の意)やろ」。ただ、ここから人生と向き合った。

 幼少期は「めちゃくちゃ貧乏で、夕食もほんのちょっと。食パン1枚とか、ゆで卵1個とかの生活だった」と振り返る。不自由のない生活を経て、今は移住したバリ島で、年間125万円の家賃で住んでいる。「南青山に住んでいた時は“1カ月”165万円でした」という新庄氏からすれば一気に庶民的になった。さらに家賃を「3万円下げて?」と交渉もする。それが「めちゃくちゃ面白い」のだという。

 日本ハム時代に過ごした北海道では6日の地震で大きな被害が出た。新庄氏自身も阪神大震災で被害を受け、逆境のつらさは知っている。「頑張れと言うしかない」と心を痛め、復興を願う。

 今後の夢は「ゆっくりしたい」。野球界に指導者で戻る気は?と聞くと、「オファーがないんだって。あったら考える。もちろん」と言いつつ「オファーを出せるオーナーがいるかな。俺がオーナーなら多分、出さない。マジで」と白い歯を輝かせた。

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