後輩・道上洋三アナが中村鋭一さん追悼 番組引き継ぎ40年「まだ越えられない」

 関西の名物ラジオパーソナリティーとして活躍し、衆参両院で議員を計16年務めた中村鋭一(なかむら・えいいち)さんが6日午後11時33分、大阪府吹田市内の病院で肺炎のため死去したことが7日、明らかになった。87歳。所属事務所が公表した。

 奔放で軽妙な語りでラジオ界を盛り上げ、「鋭ちゃん」の愛称で親しまれた中村さんは、熱狂的な阪神ファン。大阪・朝日放送のアナウンサーだった71年からラジオ番組「おはようパーソナリティ中村鋭一です」を担当し、阪神勝利の翌日に「六甲おろし」を歌唱し、阪神ファンに普及させたと言われる。

 77年に中村さんから「おはパソ」を引き継ぎ40年になる後輩アナの道上洋三アナ(74)は「後を受けて40年になりますが、まだ1度も越えられたと思えたことがない、大きな先輩です」と悼んだ。

 アナウンサーは不偏不党が常識だった時代に、中村さんは71年から阪神に肩入れした番組を開始。局には「何をやってる」との抗議と、「よくやった」の激励が賛否殺到し、道上氏は「さすがの中村さんもびびってたほどです」と明かした。

 あまりに反響が大きかったことから、むしろ、その路線を貫くことになったという。

 73年には阪神が最終決戦で巨人に敗れ、巨人がV9を達成。中村さんは断髪式を行って丸刈りになり、その後、阪神に優勝を求める嘆願書を、阪神電鉄本社に押しかけて手渡した。

 道上氏は「何から何まで草分け的存在で、異例中の異例の方でした」となつかしんだ。道上氏は、77年に中村さんから番組を引き継ぐ際には「荷が重すぎる」と2度断ったほどだという。番組を引き継いだ後も「六甲おろしを歌わなかったら応援してないのかと怒られ、歌えば『鋭ちゃん以外が歌うな』と言われ。毎朝、やめたいと思ってました」と、偉大な先輩から番組を受け継いだ際の苦難を明かした。

 中村さんからは「分からんことはリスナーに聞け」と助言されたという。道上氏は後に番組での「ミミズは鳴くのか」との話題に、大学教授や農家の人たちからも知識・意見が次々に届き、番組をリスナーと一緒に作る、中村さんの助言の意味が分かったという。

 「常に陽気でポジティブな人でした」。近年も阪神が好調だと、中村さんが必ず電話してきて「優勝したら番組に呼んでくれ。一緒に六甲おろし歌おう」とうれしそうに話していたという。

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