安倍首相vs小池代表 アベノミクスめぐり舌戦
衆院選終盤の19日、与野党党首が安倍晋三首相(自民党総裁)の経済政策「アベノミクス」を巡り応酬を繰り広げた。首相は野党候補と競る接戦区に照準を合わせて応援に入り「政策が正しければ経済成長する。株価も上がる」と政権の実績を強調。対抗する希望の党の小池百合子代表は「首相は経済指標がいいと言うが、皆さんに実感はあるか」と批判を強めた。22日の投開票日をにらみ各党の浮沈を懸けた舌戦が熱を帯びた。
首相は自民党の重点区の一つである奈良1区に入り、生駒市などで「2012年の政権奪還時、経済は土砂降りの雨の中だった」と前置きした上で、大胆な金融緩和、機動的な財政出動、成長戦略を柱とするアベノミクスの「三本の矢」によって、経済回復を遂げたと指摘。「株価は高い水準だ。株式市場で運用する年金の資産も増えた」と説明した。
小池氏は千葉市で、アベノミクスの効果に関し「皆さんの財布は膨らんだか」と疑問視。首相が掲げる経済指標の改善には「非正規が増えている。給与は上がったと言うが、将来に備えて財布にしまい、消費は増えない悪循環だ」と反論した。
公明党の山口那津男代表は秋田市で、消費税収の使途を変更して子育て支援に回す政権方針に触れ「(税率引き上げによる増収分を)私たちの暮らしと将来を支えるために使う。財政再建にも責任を持つ」と訴えた。
小池氏は、各社世論調査で希望の苦戦が伝えられる中、敗北した場合は代表の引責辞任を検討するかを問われ「まだ早すぎる。今は勝ち抜くための努力をしているところだ」と述べた。かねて国会議員の共同代表を検討する考えは示している。