安室奈美恵が引退 走り続けた25年心身とも疲弊も 7年前からTV歌唱なし

 歌手の安室奈美恵が40歳の誕生日を迎えた20日、デビューから丸26年となる来年9月16日をもって引退することを、自身のホームページで電撃発表した。14歳でデビューし、史上最年少(当時19歳)で日本レコード大賞を受賞するなど、数々の記録を打ち立ててきたレジェンド歌姫。「皆様、安室奈美恵の最後の1年を、どうぞよろしくお願い致します」と日本語と英語で胸中をつづった。

 微塵(みじん)も予想していなかった展開だ。出身地の沖縄で25周年記念野外ライブを、3日前に開催したばかり。メモリヤルイヤーを迎えた喜びをファンと分かち合った。90年代の大ヒット曲を歌うと、発売当時は生まれていなかったような、客席の若い世代もノリノリ。沖縄の野外単独公演では史上最多となる2万6000人を動員し、人気の高さをあらためて証明したにも関わらず、マイクを置くことを選んだ。

 安室は徹底した“こだわり”を、自身の歌手道に貫いていた。約10年前からライブでのトークコーナーは封印。いわゆる『あおり文句』を発することもほとんどなく、フィナーレに短く感謝を伝えるのみ。トークによる“小休憩”を挟まず、ステージ上で数時間、1人でパフォーマンスを続けることは並大抵のことではない。デビュー当初は音楽番組にも多く出演していたが、7年前からテレビ歌唱はなし。自身の歌と踊りを直接ファンに届けて、楽しませたいという、プロとしての矜恃(きょうじ)だった。

 引退に伴う再婚について、関係者は「そんな話は聞いたことはない」と否定しているが、波瀾(らん)万丈のプライベートも常に注目の的だった。TRFのダンサー・SAMとの電撃婚に、出産、離婚。シングルマザーとして長男の子育てに励む一方で、ロンドンブーツ1号2号・田村淳ら芸能人との熱愛が報じられたことも。3年前には所属事務所からの独立騒動もあった。

 25周年ライブでは体力の衰えを感じさせる場面はなかった。だが、四半世紀の間、産休以外は全力で走り続けてきただけに、心身ともに疲弊しているのだろう。40歳の節目ということもあり、輝いているうちに区切りをつけたかったのかもしれない。

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