NHK280億円黒字も受信料値下げ慎重 会長「もう少し時間を…」

 NHKの上田良一会長が11日、都内で定例会見を行った。平成28年度(2016年度)の単体決算で280億円(予算比で200億円改善)の事業収支差金(純利益に相当)が出たことを受け、視聴者に受信料値下げで還元することは考えてないかとする質問が出たが「もう少し時間をちょうだいしたい」と慎重な姿勢を示した。

 決算速報によると、事業収入の部門では、受信料収入が昨年度比で144億円増の6769億円。事業収入全体は7073億円で昨年比205億円の増収だった。コスト削減の成果などで事業支出に144億円の残金が出たことも主な理由となった。受信料については昨年度、籾井勝人前会長が在任中に値下げに踏み切ろうとして、経営委員会の賛同を得られず断念した経緯がある。

 上田会長は質問に対し、「収支均衡とは単年度よりもある程度の期間の中で均衡させていくのが公共放送といいますか、特殊法人NHKの目指すべき方向だと理解しております」と単年度の好状況では値下げに踏み切りにくいことを示唆。「受信料額は平成30年度からの次期経営計画を策定する中で、事業収支を踏まえた中で検討すべき課題と理解しております」と将来的な課題とした。

 受信料の改訂については「もう少し時間をちょうだいしたいと思います」と呼びかけた。「通信と放送の融合に関して、どういった出費が予想されるのか、無駄遣いはいけません。4K8K対応をどうするのか、いろんな経営の課題が残っています。また一方で経営の効率化を進めながらそういった計画を立てていきたい」と理解を求めた。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

芸能最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(芸能)

    話題の写真ランキング

    デイリーおすすめアイテム

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス