歌手の郷ひろみ（６０）が３日、東京・サントリーホールで初のオーケストラを従えた一夜限りのスペシャルコンサートを開いた。

　東京フィルハーモニー交響楽団ら７０人をバックに「よろしく哀愁」「言えないよ」などのバラードばかりのヒット１５曲を高らかに熱唱し「音の厚みや幅が違う」と思わず自ら酔いしれた。アンコールでは「この日のために用意した。ファンへの感謝の思いを込めた」という新曲「バックステージ」を歌い上げた。

　フル楽団との共演は「１０代からの夢」だった。３０歳で活動休止し訪れた米ニューヨークでダンスレッスンをしたのがカーネギーホールの隣のスタジオ。「いつか“本物”と一緒にやりたい」と思いを募らせ、ようやく実現した。

　「新たな世界を見つける旅立ちの一歩。僕にとって一世一代のコンサートになる。緊張感が全く違う」と公演前から胸を高鳴らせた郷。無事に成功させ、充実感に満ちた笑顔を見せた。