俳優の田村正和（７０）とタレントのビートたけし（６６）が９日、都内で、テレビ朝日系「松本清張二夜連続ドラマスペシャル」の記者会見に登場した。田村は「三億円事件」（１８日、後９・００）、たけしは「黒い福音」（１９日、後９・００）にそれぞれ主演している。２人は会見場で１２年ぶりに再会。たけしは監督作映画への仰天な役柄での出演を、田村に直接オファーした。

　世界のキタノが、日本を代表する名優に、自身の作品への出演を直談判した。２人は２００２年にドラマ「明智小五郎対怪人二十面相」で共演して以来の再会。「監督として田村の主演映画を撮るなら？」と向けられたたけしは、「田村さんはやっぱり、５、６歳の少女を２０年間軟禁して、悪い限りを尽くし、最後に捕まる役がいいな」‐。

　代表作「古畑任三郎」で刑事を演じ、「三億円‐」でも犯人を追い詰める田村への、まさかの凶悪犯オファー。イメージを覆すような役柄にも、田村は逡巡することなく「乗ります」と“快諾”した。

　昭和の２大未解決事件を取り上げた今作では共演はないが、２人は１２年前の共演を懐古。田村が「たけしさんとご一緒したことは、誇らしい思い出」と語れば、たけしは「現場での待遇に差があって。役者としてランクが違うのかと、スタッフに文句を言いました」と持ち前の毒噴射で笑わせた。

　１８日に６７歳の誕生日を迎えるたけしは、田村から「お互いに元気で、これからもよろしく」とお祝いの花束を手渡され、「タモリはそろそろ引退を考えていて『次はお前だ』と言ってますが、俺はヤダ！！イヤなジジイになって、森繁（久彌さん）を目指します」と“生涯現役”を宣言。いつの日か、映画監督と主演俳優として向き合うことを約束するかのように、固い握手を交わした。