たかじんさん死去…関西の視聴率男64歳

 歯に衣(きぬ)着せぬ発言で人気を博し、「関西の視聴率男」との異名をとった歌手・やしきたかじん(本名・家鋪隆仁=やしきたかじん)さんが3日、死去していたことが7日、分かった。64歳。大阪市出身。2012年1月に食道がんを公表し、闘病。13年3月に復帰したが、同5月に体調不良を訴え再休養していた。葬儀は「故人の強い意志に従い」(所属事務所)、密葬で済ませた。

 たかじんさんの所属事務所は「安らかに天国へと旅立ちました」と発表した。

 司会する番組が軒並み高視聴率を記録した「関西の視聴率男」。冠番組を3本持つなど絶大な人気を誇ったが2012年1月、食道がんが見つかり芸能活動を休止、手術を受けた。13年3月には体調が回復したため番組に復帰したが、5月に発熱などの体調不良を訴え、再び休養に入っていた。

 夏には札幌で療養。12月には30代女性と秋に再々婚し、復帰に向けて療養生活を送っていることが伝えられたばかり。関係者は「年末はハワイに行き、復帰は来春が濃厚」と、青写真を語っていた。

 病気で体力や筋力が落ちていたため、闘病中も「体重を戻したい」とゴルフを行うなど、復帰に強いこだわりを見せていたが、願いはかなわなかった。

 たかじんさんは、1976年にシングル「ゆめいらんかね」でデビュー。83年リリースの「ラヴ・イズ・オーヴァー」、84年の「あんた」、86年の「やっぱ好きやねん」、93年の「東京」などが大ヒットした。

 歌だけでなく、86年に日本放送演劇大賞「ホープ賞」、93年には上方お笑い大賞「審査員特別賞」を受賞し、トークの分野でも才能を発揮。ラジオなどでのストレートな発言が受け、テレビ界に進出した。

 たかじんさんがメーンの番組は、芸能などの軟らかい話題から、政治・経済などの硬い話題、社会問題に至るまでを取り扱い、たかじんさんの歯に衣着せぬ発言が、多くの視聴者に支持され、カリスマ的な人気を誇っていた。

 芸能界でも、そのおとこ気で知られ、多くのタレントに兄のように慕われた。橋下徹大阪市長(44)が弁護士・タレントから政界に進出する際に親身になって相談に乗ったほか、司会者の宮根誠司(50)が局アナからフリーに転身する際に背中を押したのも、たかじんさんだった。

 スタッフにも慕われ、休養中にもかかわらず、レギュラー番組がある各テレビ局には「いつでも帰ってこられるように」と、毎週楽屋が用意されるほどだった。たかじんさんの回復を祈り、多くの人が復帰を待ち続けたが、その願いはかなわなかった。

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