再ブレーク嘉門達夫が仕掛ける“新曲”

 「半沢直樹」の替え歌を作った嘉門達夫
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 ドラマで高視聴率を誇った「半沢直樹」の替え歌が早くも登場した。タイトルはズバリ「ゆけ!ゆけ!半沢直樹!!」。シンガーソングライターの嘉門達夫が作詞作曲、1980年代に大流行した「ゆけ!ゆけ!川口浩!!」の半沢直樹版だ。

 まだ作りたてのホヤホヤ。ついこの間、嘉門が大阪豊中のホテルで開いたライブの中で初披露したばかりなのだ。クロサキやオオワダという名前や倍返し、出向という言葉が出てくるおもしろストーリー仕立て。もちろん、この歌を聴いたのはそこに入場していたファンだけ。お得感いっぱいのライブだった。

 「ゆけ~ゆけ~半沢~直樹、ゆけ~ゆけ~半沢~直樹、ゆけ~ゆけ~半沢~直樹、ドンとゆ~け~」と歌いあげると場内大盛り上がり。  「ドラマを知ってる人にしか分かりませんけど」という嘉門だったが、反応は上々だった。

 この半沢直樹の初披露の前には「あまちゃんのじぇじぇじぇ」も初公開。「あまちゃんのじぇじぇじぇ!あまちゃんのじぇじぇじぇ!じぇじぇじぇあまちゃんのじぇ、じぇ、じぇ!」。これは「おもちゃのチャチャチャ」の替え歌。こちらのウケは今イチだったが、流行を早々と歌にするのはさすがというほかない。

 “新曲”披露について嘉門自身はこんなふうに話している。

 「いつの時代も身近にあるリアルなものに反応する。そして歌は熱いうちに作る。これやで!」

 あの林修先生の「今でしょ」も頭をかすめたが、その存在さえも半沢直樹やじぇじぇじぇの前にはかすんでしまうという。

 時代の観察者であり言葉の魔術師と呼ばれる嘉門の真骨頂はそこにある。政治も経済も知っておかないと歌に時代を映し出すことはできない。「ゆけ!ゆけ!川口順子!!」という曲もあった。外相時代の川口順子氏を描いた歌だったが、多彩な登場人物とリアルな仕事ぶりを表現するストーリーは傑作といえた。

 今回のライブには運動会帰りという6歳の坊やもおり、「アホが見るブタのケツ」の歌が始まると、壇上に上って踊り始めた。よく聞くと、いつものことで、あっちこっちのライブに現れる「追っかけ」だという。嘉門達夫に子供の追っかけがいたとは驚きだった。いや、「顔と名前が一致する子供は10人ほどいる」とも話していた。

 「姫路に住む5歳の寿々丸君はまるで僕のコピーで、ギターを弾いて歌える。目の不自由な11歳のかずと君は楽器を使い僕の歌で老人ホームの慰問なんかをやってる。ほんまビックリするわ」

 「ヤンキーの兄ちゃんのうた」に始まり、「ゆけ!ゆけ!川口浩!!」や「鼻から牛乳」「小市民」「あったら怖いセレナーデ」など、およそ子供向けとは思えない歌を作ってきたのに、今では「鼻から牛乳~キッズバージョン」などという歌もある。変われば変わるものだ。

 だが、嘉門がまたまたブレークしたきっかけは何といっても「アホが見るブタのケツ・2」。テレビ東京系子供向け番組「ピラメキーノ」でこの歌が流れてから学校や幼稚園で一気に爆発した。

 「アホが見るブタのケツ」とは子供のころによく使ったおちょくりフレーズ。たとえば「あっ!」と言って空を指さし、友達がそちらの方を見ると「アホが見~る~、ブタのケ~ツ~」といってバカにする。見~る~の「見」とケ~ツ~の「ケ」にアクセントをつける。

 ところが、全国共通かと言えばそうでもない。筆者の周辺の何人かに聞いてみたが、「聞いたこともない」(神奈川県人)という人もいた。関西人ならまず知っているし、使っていたはず。岩手出身の人に聞くと「そもそも“アホ”なんて言葉を使わない」という反応。東京では「バカが見る~」とは言うが「ブタのケツ」はくっつかないらしい。そのほか「知ってるけど使わなかった」(岐阜県人&愛知県人&広島県人)。「知らない」(岡山県人)。「知ってるし使ってた」(大分県人&静岡県人)、とバラバラ。つまり個人差があるということ。

 「アホが見るブタのケツは戯れ歌とでもいうのかな。とにかく“いちびり”はどの時代にもおるということ。シャワーを浴びて『修行じゃ』と言うたり、鉄格子を見つけて『俺は無実だ!』と叫んだり。幼児性の中にある“稚気”を子供はキャッチするということやと思うね。僕はいまだにうれしがりをやってる。きっと老人になってもやってると思う」

 以上が嘉門ワールドだ。

(デイリースポーツ・宮田匡二)

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