桜井センリさん死去…自宅でひっそり

 クレージーキャッツのメンバーで俳優の桜井センリ(さくらい・せんり=本名千里=せんり)さんが10日に都内の自宅で死去していたことが、12日、分かった。86歳。11日に通報を受けた警視庁牛込署員が発見した。桜井さんは一人暮らしだが、最近まで近所を散歩するなど元気な様子が見かけられており、突然死の可能性もある。1960年にクレージーに加入し俳優としても活躍した。葬儀は密葬で行われ、日時・場所は非公開。桜井さんの死去により、クレージーキャッツの存命者は犬塚弘(83)だけとなった。

 昭和を代表するエンターテイナーが、また一人、この世を去った。

 警視庁牛込警察署によると、110番通報があったのは11日午後8時18分。近所の住民が桜井さん宅のポストに新聞がたまり、窓が開いたままになっていたことを不審に思い電話。駆けつけた署員が、倒れている桜井さんを発見し、死亡を確認した。事件性はないとみている。

 桜井さんをよく知る関係者によると、桜井さんは一人暮らしだったが、「孤独な感じを漂わせることはなかった」といい、最近も家の近所を散歩したり、自身で買い物に出掛けたりするなど元気に暮らしていた。ジャズなど好きな音楽に囲まれた生活を送っていたという。最後の仕事は06年公開の映画「待合室‐Notebook of Life‐」での駅員役だった。

 桜井さんはイギリス・ロンドン生まれ。イギリスでの名は「ヘンリー」で、それがもとになり日本名「千里」となった。大学在学中から音楽活動を行い、いくつかのバンドに参加。クレージーキャッツへの加入は、60年に石橋エータローさんが結核で倒れた際、植木等さんの紹介で、代役を務めたことがきっかけだった。高い音楽スキルでメンバーからも一目置かれ、石橋さん復帰後も残留。グループの音楽面を支える存在となった。

 60年代には「おとなの漫画」(フジ系)や「シャボン玉ホリデー」(日本系)などのバラエティー、クレージー主演の映画シリーズなどで活躍し、グループの国民的人気に一役買った。その後はCMの楽曲制作のほか、俳優として活動。山田洋次監督の「男はつらいよ」シリーズなどに出演した。最後に公の場に出たのは10年11月11日の谷啓さんのお別れ会。山田監督と話し込み、明るい笑顔を見せていた。

 控えめな性格で、グループでも一歩引いた立場を取ることが多かった桜井さん。あの優しい笑顔はもう見られない‐。

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