宝塚伝説の男役・春日野八千代さん死去

 宝塚歌劇団を代表する男役スターで、同歌劇団名誉理事の春日野八千代(かすがの・やちよ、本名石井吉子)さんが29日午前10時34分、肺炎のため大阪市内の病院で死去した。96歳だった。

 「白薔薇(バラ)のプリンス」の異名をとり、タカラヅカの象徴的存在として長年にわたって活躍、熱烈な人気を集めた。葬儀は近親者のみの密葬で営まれ、後日、宝塚歌劇団葬として兵庫・宝塚バウホールでお別れの会が行われる。

 春日野さんが最後に出演したのは、09年6月に兵庫・宝塚大劇場で行われた同歌劇団95周年記念イベント「百年への道」のトークコーナー。司会を務めたOGの初風諄(70)との軽妙なトークで客席を沸かせ「95周年というおめでたい席に参加できたことを、幸せに思います」と力強くあいさつした。

 また、04年には同劇場で行われた花組公演「飛翔無限」に出演し、同歌劇団90周年を記念した祝舞を披露。年齢を感じさせないキレのある動きと圧倒的な存在感を見せ、客席から大きな拍手を受けた。

 春日野さんは神戸市出身。28年に宝塚音楽歌劇学校(現・宝塚音楽学校)に入学し、29年に「春のをどり」で初舞台。32年に男役に転じ、故・乙羽信子さんとのコンビは「ゴールデンコンビ」と呼ばれた。「虞美人」(51年)の項羽、「源氏物語」(52年)の光源氏は当たり役として知られ、気品のある容姿とひたむきさを併せ持つ「白バラのプリンス」として圧倒的人気を誇った。

 56年からは演出も手掛け、後進の指導にも当たった。79年に紫綬褒章、86年には勲四等宝冠章を受章している。

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