渡辺謙主演で「許されざる者」リメイク

 1993年の第65回米アカデミー賞で作品賞など4部門を受賞した、クリント・イーストウッド(82)監督・主演のハリウッド映画「許されざる者」が、同名の日本映画としてリメークされ、俳優の渡辺謙(52)が主演を務めることが19日、分かった。

 1880年を舞台にしたアメリカの西部劇が、日本の時代劇へと形を変える。李相日監督(38)がメガホンをとり、ワーナー・ブラザース映画配給で来年秋公開。

 日米の映画界を熟知している謙さんが、アカデミー賞で9部門にノミネートされ、作品賞、監督賞などに輝いた名作を、邦画としてよみがえらせる。

 昨年11月、日本版リメークをイーストウッドにオファー。謙さんが、イーストウッド監督作「硫黄島からの手紙」(06年)に出演している縁もあり、快諾された。

 イーストウッドは「濃密な仕事をした私の良き友人である渡辺謙氏と李相日監督が、日本の『許されざる者』製作にあたりタッグを組むと聞いて大変光栄に思います」と歓迎のコメントを出した。

 オリジナル版は、かつては残忍なアウトローながら平穏に暮らしていた“伝説の男”が、悪党にかけられた賞金を狙い、再び銃を手に旅に出るというストーリーの西部劇だった。

 日本版は、明治時代初期、一度は刀を捨てた江戸幕府の残党・釜田十兵衛(渡辺)が、賞金稼ぎの戦いに巻き込まれていく姿を描く時代劇となる。十兵衛の元・戦友役を柄本明(63)が、恐怖で町を統治し十兵衛と対じする警察署長を佐藤浩市(51)がそれぞれ演じる。

 9月中旬にクランクインし、北海道の各地でロケ撮影を敢行する。謙さんは「映画界での父とも思っているクリントの代表作をリメークするのは、大きな挑戦になります。李監督とともに、僕たちなりの『許されざる者』を積み上げていきたい」と決意表明。恩師の思いが詰まった作品に、大和魂を吹き込み、新たな名作を誕生させる。

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