プロでもアマでも一打は一打!ゴルフに人生をささげた男の“地獄の苦しみ” 山本浩之アナコラム

山本浩之アナウンサー
 2013年4月にエージシュートを達成した尾崎将司。プロでも難しい偉業をアマが達成とは…立派の一語!!
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 【ヤマヒロのぴかッと金曜日】

 先週は、還暦にして歌手デビューを果たした男性を当コラムで紹介したが、どうやら私の周りには驚くことをやってのける同世代の人が多いようだ。友人でアマチュアゴルファーのKさんが、MBSラジオ『ヤマヒロのぴかッとモーニング』の“ぴかッと今日のおめでとう!”のコーナーに投稿してきたメールを見てびっくり仰天!

 なんと、63歳にして、5バーディ、2イーグル、1ボギーのスコア「63」のエージシュートを達成した。日本記録は63歳でスコア62らしいので1打及ばないが、プロのスコアでも9アンダーというのは滅多にお目にかかれない数字だ。

 Kさんのハンディキャップは「+1」。普段からメチャクチャ上手なのは知っていたが、バックティーからのラウンドでこの記録は驚異的としか言いようがない。

 最後の18番をパープレーで終えれば63。だが、ティーショットは左の林の中に。2打目はフェアウェーに出すだけ。第3打、50ヤードのアプローチをピン手前70センチにピタリと付け、あとはこれを入れるだけだが、ここからが本人曰く『地獄の苦しみ』だったそうで…。夢の中でもこのような場面に遭遇したことがない私には達成の瞬間があまりにリアルに感じられたので、ここからは本人の言葉をそのまま伝える。

 「たった70センチのパーパット。アドレスに入った瞬間、人生で経験したことがない大量の汗が後頭部から首筋へ一気に吹き出ました。さらに『これを外したらもう一生チャンスはないかもしれないぞ。一生、一生』と耳元で聞こえてきたんです。あまりのプレッシャーに、私は一度アドレスを解き、仕切り直しました。もう一度ルーティンをやり直し、『70センチのフックライン、ただ打つだけだ』と言い聞かせてストロークすると、ボールはカップに吸い込まれました。カップインの瞬間、全身の力が抜けその場に膝からガクガクと崩れ落ちてしまいました……。」

 想像するだけで手にいっぱいの汗をかきそうだ!ゴルフの「エージシュート」。それは自分の中だけの記録であり、人生の通過点に過ぎないのかもしれない。

 だが私は知ってる。Kさんは経営する会社のビルの中に練習場を作り、そこで長年数多くのゴルファーの指導をする傍ら、自ら毎日練習に励んできた。ラウンド当日は、いつもスタートの2時間以上も前にゴルフ場入りしてコンディションを整える。

 私も技術面だけでなくゴルフに対する心構えについて多くのことを教わってきた。そのKさんですら最後までもがきつづけた。そして、もぎ取った。あらためてゴルフというスポーツの奥深さを見せつけられた思いだが、ゴルフに限らず何か一つのことにとことんこだわり抜いて生きる人の姿はやっぱり美しい。仕事でも趣味でも遊びでもなんでもいい。一生懸命になれるモノを見つけたら、ひたすら打ち込むことの大切さを教わった。

 仕事を抱えながら40年以上打ち込んできた「ゴルフの虫」に、ゴルフの神様がくれたご褒美だ。ピカッと輝く大偉業、おめでとう!

 ◇山本 浩之(やまもと・ひろゆき)1962年3月16日生まれ。大阪府出身。龍谷大学法学部卒業後、関西テレビにアナウンサーとして入社。スポーツ、情報、報道番組など幅広く活躍するが、2013年に退社。その後はフリーとなり、24年4月からMBSラジオで「ヤマヒロのぴかッとモーニング」(月~金曜日・8~10時)などを担当する。趣味は家庭菜園、ギターなど。

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