吉沢柚月 寝違えてパッと変身 2年目で急上昇 上位争いの常連になった予期せぬきっかけ

 Vサインでファンの声援に応える吉沢柚月
 ティーショットの目標を定める吉沢柚月
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 JLPGAツアーを予選から決勝まで独占配信しているU-NEXTとデイリースポーツが注目の選手を取り上げる連載「推し活応援宣言」第7回は、プロ2年目の吉沢柚月(21)=三菱電機=を取り上げる。ルーキーイヤーに続き今季序盤も予選通過に苦しんできたが、夏に「寝違え」をきっかけにパターのタッチ改善に成功。上位争いに食い込み、9月には下部ツアーで優勝を飾るなど今後が楽しみな選手に成長した。

 予選通過すらままならない状況が一変した。16日、伊藤園レディース最終日。吉沢柚月は後半だけで4つバーディーを重ね、一気に19位まで順位を上げた。直近9試合で20位以内フィニッシュが5回と、上位争いの常連になった。

 「パットがよくなったのが大きい。入れたいという気持ちを抑えて、距離感を合わせることだけに集中するようにしたら、すべてが変わりました」

 開幕からの9試合で予選落ち8回。大きく出遅れ、誰よりも結果がほしい状況で、パットを決めたい気持ちを抑えるのは簡単ではなかったはずだ。自己制御が可能になったのは、意外なきっかけからだった。8月のニトリ・レディース直前の月曜日、「寝違え」で首を痛めた。

 まさに「入れるため」にパット練習を強化しようとするタイミングだったが、逆にまったく事前の練習ができなくなった。「今週はうまくいくわけがない。せめて距離感をしっかり合わせていこう」。心理的なハードルがスッと下がった。

 すると、今まで決めたくても決まらなかったパットが、最後のひと転がりで面白いようにカップインし出した。相乗効果でショットもよくなり、この大会でキャリア最高の13位に。直後には下部ツアーでプロ初優勝も果たした。

 9歳でゴルフを始めた。強豪校に進学しながらも、あまりモチベーションが持てなかったが、15歳で転機が訪れた。初めて出場したツアー戦、伊藤園レディースの第2ラウンドで、全英女子オープン制覇直後の渋野日向子と同組になった。

 スタートホールのティーグラウンドに上がると、驚くほどの大観衆に取り囲まれた。約8000人の入場者のほとんどが、国民的ヒロインになった渋野の組に集中していた。経験したことのない状況だったが、不思議と胸が高鳴った。

 「こんなにたくさんの人に見てもらえるなんて」。ドライバーショットはフェアウエーど真ん中に。大ギャラリーを引き連れ続けてのラウンドで、渋野を4打上回る68の好スコアをたたき出した。初めて「プロになりたい」と思えた。

 3年後のプロテストでは、3日目に合格圏内に浮上した途端にスコアを崩し、涙をのんだ。その経験から、翌23年の2次プロテストでは「私はいつものように4日間の大会を戦っているだけなのだ」と自己暗示をした。

 これが奏功したことから、最終プロテストでも「通常の大会を戦う私」を演じきり、見事11位で合格した。「自己暗示を強くしすぎて、合格した後も全然気持ちが高まらなくて。周りの選手がみんな泣いていたのに、私だけ泣けなかった」と笑う。

 パターのタッチ改善も、寝違えというきっかけが手伝いはしたが、やはり「私はパットを入れにいかない選手」という自己暗示なしにはなし得なかっただろう。注目される舞台でこそ、モチベーションが高まる。重圧がかかる場面でこそ、気持ちのスイッチを切り替えて冷静に戦う。これからのプロ人生で、どんな「役柄」を演じていくのか-。吉沢の今後に注目だ。

 【吉沢柚月(よしざわ・ゆづき)】

 ◆ゴルフは父の影響で     

 2003年11月23日、千葉県市川市生まれ。幼少期から父に連れられて練習場に行く機会が多く、10歳で本格的にゴルフを始める。ジュニア時代には「関東中学校ゴルフ選手権」などを優勝した。

 ◆プロ向きの性格       

 23年のプロテストで合格。25年9月の「山陽新聞レディースカップ」で優勝。最終日は5000人近くが来場する下部ツアー屈指の集客がある大会で「たくさんの人に見てもらえて、ものすごく楽しかったです」

 ◆他人の結果で号泣しちゃう  

 プロテスト合格でも泣かなかったが、今年7月の明治安田レディースで佐藤心結が2位と惜敗した際には号泣。「自分の結果で泣いてる自分の姿を思い浮かべると引いちゃうんですけど、他の人にはめっちゃ感情移入します」

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