プロ9年目・勝俣陵 悲願のツアー初優勝 片山晋呉の金言胸に1打差逃げ切り 療養中の師へ恩返しの吉報届ける
「男子ゴルフ・パナソニック・オープン・最終日」(28日、泉ケ丘CC=パー71)
首位から出た勝俣陵(29)=ロピア=が1イーグル、4バーディー、4ボギーの69をマーク。通算20アンダーで、悲願のツアー初優勝を果たした。プロ9年目で、日大の先輩で通算31勝の片山晋呉とはオフにトレーニングをともにする間柄。病気療養中であることを明かしていた“師匠”に、吉報となる恩返しの1勝を届けた。
最後の“OKパット”を沈めて、それまでこわばっていた勝俣の表情が、ようやく和らいだ。プロ9年目でつかんだ初めての頂点。グリーンサイドで見守っていた戦友から手荒いウオーターシャワーを浴びると、苦労人の目からも、うれし涙があふれた。
「本当にしんどかったですね」。タフな18ホールを振り返り、自然と苦笑いが出た。14番パー4の2打目で圧巻のイーグルを奪い、優勝を目前としていたはずだった。しかし、直後の15、16番はともに3パットの連続ボギーで後退。「(優勝を)意識した途端に崩れて緊張した」とリズムを乱した。
ただ、“師匠”と積み重ねた時間が重圧の中で後押しとなった。日大の先輩で、永久シードの片山とは毎年冬の練習をともにする仲。プレッシャーの中でも戦える技術をたたき込まれた。片山は6月から病気により療養中だが、今大会3日目終了後には目をかける“弟子”に激励を送った。「誰でも緊張はするし、ミスはするもの」。言葉を胸に刻み、最後は2位との1打差で踏みとどまった。
中学2年までは野球少年だったが、両膝の故障で14歳からゴルフに転向。競技を始めるのは遅かったが、人一倍の練習で強豪の埼玉栄高に入学する前には80台で回れるようになった努力家だ。「うれしいけど来週のことを考えている。練習したい」。遅咲きの花が満開になるのは、まだまだ先だ。



