松山英樹がV最有力 世界ランクトップ10で臨む 好調シェフラーら相手に快進撃見せる【マスターズ展望】
「米男子ゴルフ・マスターズ」(10日開幕、オーガスタ・ナショナルGC)
今季メジャー初戦となる第89回マスターズ・トーナメントは4月10日(日本時間同深夜)、米ジョージア州のオーガスタ・ナショナルGCで開幕する。昨年、2度目の優勝を果たした世界ランク1位のスコッティ・シェフラー(28)=米国=が本命視される中、2021年以来、2度目の戴冠を狙う松山英樹(33)=LEXUS=も今季すでに1勝を挙げており十分、射程圏内。それともロリー・マキロイ(35)=英国=が悲願の初優勝を遂げるのか。はたまた…。世界最高の舞台で心躍るドラマが待っていることは間違いない。
マスターズの顔とも言えるタイガー・ウッズはアキレス腱を手術した影響で今回は出場を見送った。とはいえ、大会は色あせるどころか見どころに事欠かない。
日本のファン、最大の関心は日本勢で唯一出場の松山が4年ぶりのマスターズ制覇を達成するか、というところだろう。
前回優勝時は新年から10試合を戦い、トップ10入りはなし。2度の予選落ちと、いわゆる絶好調でオーガスタ入りしたわけではなかったが、その心配を吹き飛ばす進撃で日本人による男子メジャー初勝利を手にした。
今季は開幕戦のザ・セントリーで通算11勝目を挙げた。しかも優勝スコアの35アンダーはツアー最少記録を更新してのものだ。この試合、センターシャフトの新パターで臨み、ここぞのパットをガンガン決めて勝ちきった。ただ、3月以降は従来のクランクネックのパターに戻しており、オーガスタ・ナショナル特有のグリーンでどこまでタッチを合わせられるかがカギを握りそうだ。
直近2試合は予選落ち。プレーヤーズ選手権に続いて、前週のテキサス・オープンでも決勝ラウンドに進めなかったが、「(マスターズに向けて)準備する期間が増えたと思って切り替えたい」とプラスにとらえた。世界ランクトップ10で臨み、また勝ち方を知っているオーガスタ。間違いなく最有力候補だ。
松山に立ちはだかりそうな1番手が、シェフラーだ。昨年の覇者でもあり、今年勝てばフィル・ミケルソンらに肩を並べる3勝目(史上4位タイ)、連覇はジャック・ニクラウス、ニック・ファルド、ウッズに続く4人目の偉業となる。昨年暮れに右手をガラスで切るアクシデントもあったが、直近の試合で2位になるなど徐々に状態を上げてきているだけに、大崩れは考えづらい。
メジャーで唯一マスターズのみ勝てていないマキロイ。ここを勝って、キャリアグランドスラムを手にしたいところだ。AT&Tペブルビーチ・プロアマとプレーヤーズ選手権で今季2勝。シェフラー以上に好調とみられていたが、3月末に右肘痛を発症。回復具合が勝敗を左右しそうだ。
◆松山の21年マスターズV コロナ禍により前年は無観客で開催されたが、この年は制限付きながら有観客で開催。10度目出場となった松山は初日、多くの選手が例年より速いグリーンにてこずる中、8番パー5でのイーグルなど69で回って首位と4打差の2位発進。2日目も1打伸ばし、順位は6位に後退も首位と3打差で決勝ラウンドへ。そして3日目、65のビッグスコアで2位に4打差をつけトップに立つ。最終日は後続と4打差ありながら15番パー5で果敢に2オンを狙うなど攻め続け、1打差で逃げ切った。アジア出身者初のマスターズ制覇を成し遂げ「日本人じゃできない、というのを覆すことができた」と胸を張った。



