石川遼がツアー通算20勝達成 バーディー締めに絶叫「幸せ者です!」15歳初Vから17年、最終18番劇的逆転で飾った節目星

 「男子ゴルフ・三井住友VISA太平洋マスターズ・最終日」(10日、太平洋クラブ御殿場C=パー70)

 1打差の2位から出た石川遼(33)=CASIO=が5バーディー、2ボギーの67と伸ばし、通算11アンダーで逆転して、男子では12人目となる通算20勝目を挙げた。6月のプレーヤーズチャンピオンシップ・サトウ食品以来の今季2勝目。今大会4勝は尾崎将司や中嶋常幸らを抜いて史上最多となった。1打差の2位は66の谷原秀人と67の河本力。前日首位の金谷拓実は72とスコアを落とし、10位に終わった。

 これほどかっこいい締め方もない。最終組で追う展開だった石川は、17番ティーに上がった時、首位に並んでいることを知った。17番は超難関のパー3。「パーで通過して、18番はバーディーマスト。それしかない」。思惑通り、17番は5メートルに無難に乗せて通過。そして18番パー5。残り230ヤードの第2打で「自分のベースになるクラブ」という3番ユーティリティーを握った。

 クラブの芯にボールの芯が当たれば、グリーン奥に乗る。「そこから気合の2パットで」という計算だったが、ややダフった。それを察した佐藤賢和キャディーが、祈りを込めて「ゴー!」と叫んだ。ボールはピン左手前8メートルに2オン。「多少ダフっても、右にある池は越える」というマネジメントを信じたウイニングショットになった。

 石川のためにある大会だった。大会をPRするアンバサダーを務め、顔写真が大きくデザインされたポスターが会場周辺の街中に張り巡らされた。期間中は連日、ギャラリーが対象のゴルフクリニックや写真撮影会を開催。試合では初日から4位で優勝争いに加わり、興味を引きつけた。3日目は観客数が1万人を超え、最終日も悪天候の中、8500人以上が集まった。そして、絵に描いたような最終ホールの逆転勝ち。本人も「幸せ者です!」と叫んだ。

 16歳でプロ転向し、17年で節目の20勝。途中、米ツアー転出で日本を留守にした時期もあったが、それでも33歳54日での快挙は中嶋常幸、ジャンボ尾崎、池田勇太、倉本昌弘に次ぐ5番目の年少記録だ。賞金ランクでも1位まで約3000万円差の5位に上がった。

 永久シードの25勝が、徐々に現実味を増してきた。本人は「(20勝という数字に)強い思い入れはない。自分は、これからが勝負だと思っている」という。まだ33歳。可能性はどこまでも広がっている。

 ◆石川 遼(いしかわ・りょう)1991年9月17日、埼玉県松伏町出身。6歳からゴルフを始め、杉並学院高に進学後、国内男子ツアー初出場となった2007年のマンシングウェアオープンKSBカップで、史上最年少の15歳8カ月で優勝を飾った。08年のマイナビABCチャンピオンシップでプロ初V。09年に18歳で史上最年少の賞金王に輝いた。10年の中日クラウンズ最終日には、世界主要ツアー初の58をマークした。13年から米国を主戦場にしたが17年にシード権を失い、18年から国内ツアーに復帰した。175センチ、75キロ。

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