比嘉一貴 1試合残して初の賞金王 158センチの小さな巨人「肩の荷が下りた」

 「男子ゴルフ・カシオ・ワールドオープン・最終日」(27日、Kochi黒潮CC=パー72)

 比嘉一貴(27)=フリー=が初の日本ツアー賞金王に決まった。37位となって今季の獲得賞金を1億8004万円余りに伸ばし、最終戦の日本シリーズJTカップで逆転される可能性がなくなった。日本選手の賞金王獲得は19年の今平周吾以来で、沖縄出身者では17年の宮里優作以来。昨季賞金王チャン・キム(米国)が通算32アンダーで初日からの首位を守って今季初勝利。

 ラウンドを終えた比嘉は、ギャラリーの祝福の拍手に手を突き上げて応えた。37位と結果は不本意でも、賞金ランク2位の星野陸が優勝に届かなかったことで最終戦を残して賞金王が確定。「肩の荷が下りた気分」と安堵(あんど)の笑みを広げた。

 「正直苦手」というコースで思うように伸ばせなかった。この日はパットが決まらず、前半からボギーが先行する苦しい展開。来年のマスターズ・トーナメント挑戦を目指しているだけに「きょうみたいなゴルフでは難しい。悪かったところは反省する」と、念願を成就しても浸らなかった。

 昨季まではツアー屈指だった練習量を減らすことで今季4勝の飛躍につなげた。競技後の居残り練習などは原則行わずに体力を温存。万全の状態で長丁場のシーズンに挑んだ。月曜日はクラブを握らずに家族と時間を過ごすことも多かったといい「体力面でも気持ちの面でも必要な時間だった」と実感を込めた。

 158センチと小柄な体格だが「それを言い訳にはしたくない」と腕を磨いてきた。「自分のできることと向き合って、自分なりにゴルフをつくってきた」。誇らしげに語る背中は、ひときわ大きく映った。

 ◆比嘉 一貴(ひが・かずき)1995年4月23日生まれ。沖縄県出身。10歳でゴルフを始め、沖縄・本部高時代は宮里藍さんらの父優さんの指導を受けた。東北福祉大に進み、15年ユニバーシアード夏季大会の個人で優勝。17年にプロ転向し、19年のRIZAP・KBCオーガスタでツアー初優勝。通算6勝。158センチ、70キロ。

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