松山英樹、凱旋V マスターズ王者・松山のための大会「僕が勝つことに意味がある」

 優勝を決めガッツポーズ
 優勝トロフィーを手に笑顔を見せる松山英樹
2枚

 「米男子ゴルフ・ZOZOチャンピオンシップ・最終日」(24日、習志野CC=パー70)

 松山英樹(29)=LEXUS=が、4月のマスターズ以来となる米ツアー通算7勝目を日本のファンの目の前で挙げた。1打差の単独首位からスタートし、キャメロン・トリンゲール(米国)とのマッチレースで一度は逆転されたが、主導権を奪い返し、最終ホールをイーグルで締めて65をマーク。通算15アンダーで凱旋試合を飾った。2年前、タイガー・ウッズ(米国)に敗れた悔しさを晴らし、優勝賞金179万1000ドル(2億238万円)を獲得した。

 「松山劇場」は18番に最高のフィナーレを用意していた。パー5の第2打、松山は打った瞬間、集中力の高まった目で打球を見上げながら「ゴー!」と叫んだ。会心の当たりはピンそばに落ち、カップの上3メートルにぴたり。主役は6番に続くこの日2つ目のイーグルを堂々とまん中から決めると、グリーンを取り囲んだギャラリーに向けて両手を上げた。

 ギアが入ったのは10番だった。ピン下3メートルを入れられずにパー。2日目から守ってきた首位の座を伏兵のトリンゲールに明け渡したとき、表情がぐっと引き締まった。その直後、11番は10メートルの大きなスライスラインを何度も読み直した末にねじ込んでバーディー。わずか1ホールで追いつくと、13番では上からの3メートルを決め、再び単独トップに立った。そこからは、あきらめたように淡泊な攻めを繰り返すトリンゲールを尻目に15番を取り、そして最終ホールのクライマックスにつなげた。

 「日本で開催された大会で、日本人の僕が勝つことに意味がある」。プレー後、松山はまっすぐ前を見て言った。昨年の大会はコロナ禍のため選手の来日が難しく、米国で行われた。今年は感染が収束に向かいつつあるとはいえ、日本で開けるかどうか、政府や地元自治体を交えて何度も検討された。開催が決まっても、選手はチャーター機で一緒に来日し、滞在中は外部との接触を断つ措置が徹底された。

 今大会はマスターズ王者になった松山を見せるための舞台。松山自身が周囲の苦労を一番よく分かっていた。

 悪天候の日もあったが連日、ほぼ上限いっぱいの5000人近くが訪れた。ゴルフの状態が悪いと言っていた松山は「コースに出るとたくさんの人が応援してくれて、ここに打って行け、みたいな雰囲気を感じた」と明かした。18番のイーグルは応援のお礼代わりだ。

 松山とファンのためにあった4日間。主役は秋のオレンジ色の西日を浴びながら、ウッズが2年前に両手で掲げたのと同じリング型のトロフィーを受け取った。そして、おどけるように輪っかから顔をのぞかせ、また観客を喜ばせた。

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