「女子ゴルフ・富士フイルム・スタジオアリス女子オープン・最終日」（１１日、花屋敷ＧＣよかわコース＝パー７２）

　日没サスペンデッドとなった第２ラウンドの残りと最終ラウンドが行われ、首位タイで出た稲見萌寧（２１）＝都築電気＝が、通算５アンダーで並んだ小祝さくらとのプレーオフを制して２週連続、通算５勝目を挙げた。今年６戦３勝で、賞金女王争いでも４位に浮上した。２打差の３アンダー３位に比嘉真美子、キム・ハヌル、ペ・ソンウが続いた。

　今年２勝同士の最強対決に勝利した。難関１８番パー４でのプレーオフ２ホール目。「これを入れないと勝てない」と疲れ切った体にムチを打ち、全神経を集中。８メートルのバーディーパットを沈めた稲見は右拳を天に突き上げ、喜びを表現した。

　「２週連続優勝は本当にうれしい。終わった時は忘れていて、そういえば先週も優勝できたんだと、改めてうれしさを実感しました」。２日連続サスペンデッドで「肉体的な疲労はピークを通り越しました」という過酷な戦いから解放され、自身初となる連勝の味をかみしめた。

　アプローチとパターでしのぐ、耐えるゴルフが続いていた。転機は１５番パー３で、５番アイアンで７０センチにピタリ。「やっと風の読みが合って、バーディーが取れた。そこから気持ちが楽になった」。１６番は６メートル、１７番も３メートルを決め、３連続バーディーで一時は単独トップに立った。１８番をボギーとしたが、過去２戦２勝で絶対的自信を持つプレーオフの末に勝ち切った。

　「ショットからアプローチ、パター、メンタルの部分もすべて尊敬している先輩」と慕う小祝を破っての価値ある一勝。ショットの調子が決して良くない中、今年は６戦３勝で驚異の勝率５割だ。

　今季４勝目で賞金女王争いでも４位に浮上。「まだまだたくさん試合がある。休む時は休み、しっかりトレーニングして、１年間戦える体に戻して上位で頑張りたい」。夢は不動裕理のように永久シードの獲得。まずは当面の目標・メジャー制覇に向け、目の前の一戦一戦に全力を尽くす。